新潟県村上市を中心に産する漆器。木彫素地(きじ)に塗漆して、堆朱・堆黒に似せたもの、またはその加飾技法。中国画の楼閣山水、人物花鳥から取材した主文と、幾何学文様の雷文(らいもん)、綸子(りんず)文、麻の葉文、万字文などから構成する図柄に特色がある。木彫部分の漆は、厚すぎると文様を埋めたり、仕上がりがぼってりとなり、薄すぎても角の部分が露出するので、彫刻部分を指頭(指の腹)またはタンポでたたいて塗り、刷毛(はけ)で調整するのが特色である。起源は江戸後期、享保(きょうほう)年間(1716~36)であるが、文化・文政(ぶんかぶんせい)(1804~30)ごろ村上藩士が高松の玉楮象谷(たまかじぞうこく)に学んだ技法を伝えてから盛んになった。とくに堆朱彫に格段の進歩がみられ、有磯周斎(ありそしゅうさい)(1805―79)などの名工が現れ、明治維新後も民間産業として発展し現代に至っている。
[郷家忠臣]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また,堆朱は製作費が高く,手間がかかるため,木製素地に彫刻し,朱漆を塗る模造の木彫堆朱が行われている。新潟県の村上堆朱や,セッコウや木粉などを朱漆で固めた素地の面上に加圧印刻して図柄や文様をあらわし,朱漆を塗る仙台市の東華堆朱などである。彫漆【郷家 忠臣】。…
…市街地東の臥牛(がぎゆう)山(135m)には山城跡の石垣が残る。藩の奨励と保護により,江戸後期から村上堆朱(ついしゆ)の生産が増加し,また商業的栽培地としては北限として知られる村上茶や三面川のサケなどの特産が生まれた。第2次大戦後,三面川の電源開発に伴い化学工場が立地し,近年は食品,電気機器の他,航空機関連企業も進出している。…
※「村上堆朱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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