東井川村(読み)ひがしいのかわむら

日本歴史地名大系 「東井川村」の解説

東井川村
ひがしいのかわむら

[現在地名]井川町つじ

吉野川南岸に位置し、中央を内谷うちだに川が北流する。東は加茂かも(現三加茂町)、西は西井川村、南は井内いのうち谷。東西に伊予街道が通る。東井ノ川村などとも記す。中世井川庄が成立していた。近世初期には西井川村とともに井川村(井ノ川村)と称されていたが、のち東西に分れた。万治二年(一六五九)の分村ともいう(郡村誌)。ただし郷帳類では近世末まで井川村一村でみえることも少なくない。慶長期(一五九六―一六一五)のものと推定される国絵図に「いの川」、寛永(一六二四―四四)前期のものと推定される国絵図には「いの川村」とみえる。慶長二年の分限帳では井川の一千四石余が牛田掃部助の知行正保国絵図に井ノ川村とみえ、高一千一二石余。寛文四年(一六六四)の郷村高辻帳では井川村とみえ、田方六三五石余・畠方三七七石余、芝山・小はへ山の注記がある。天和二年(一六八二)の蔵入高村付帳では東井川村として蔵入高五三六石余。宝暦一一年(一七六一)の巡見村々指出(三好郡志)には東井ノ川村とあり、高八一六石余・物成三〇一石余、家数二四六・人数九六九、社四・寺一、酒屋四、牛八五・馬三。庄屋は友兵衛。「阿波志」によると土田は上等三三町六反余・中等一四町九反余・下等二九町八反、家数三一七。文化一〇年(一八一三)の高都帳では高八一七石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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