毎年10月に東京で開催される長編作品を対象とした映画祭。略称TIFF。日本唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF:Fédération Internationale des Associations de Producteurs de Films)公認の映画祭である。1985年(昭和60)に東京、渋谷のミニシアターを中心会場として隔年開催でスタートした。1991年(平成3)(第4回)から毎年秋の開催となり、2004年(第17回)以降は、六本木ヒルズが中心会場となった。なお、1994年(第7回)は、平安遷都1200年記念事業の一環として京都市で開催された。公益財団法人ユニジャパン主催、経済産業省および東京都共催。
「コンペティション」部門では最優秀作品賞である「東京 サクラ グランプリ(東京都知事賞)」のほか「審査員特別賞」「最優秀監督賞」「最優秀女優賞」「最優秀男優賞」「最優秀芸術貢献賞」「観客賞」が、「アジアの風」部門では「最優秀アジア映画賞」、「日本映画・ある視点」部門では「作品賞」がそれぞれ選出されている。また、特集テーマが設けられた場合には、そのテーマ部門賞(「大賞」「審査員特別賞」)が贈られている。さらに、コンペティションとは別に、日本未公開の映画を「特別招待作品」として上映している。
[編集部]
第1回(1985年度)『台風クラブ』(監督:相米慎二)日本
第2回(1987年度)『古井戸』(監督:呉天明(ウーティエンミン))中国
第3回(1989年度)『ホワイト・ローズ』(監督:ライコ・グゥルリッチ)ユーゴスラビア/イギリス
第4回(1991年度)『希望の街』(監督:ジョン・セイルズ)アメリカ
第5回(1992年度)『ホワイト・バッジ』(監督:鄭智泳(チョンジヨン))韓国
第6回(1993年度)『青い凧』(監督:田壮壮(ティエンチュアンチュアン))中国
第7回(1994年度)『息子の告発』(監督:巌浩(イムホー))中国/香港
第8回(1995年度)(該当作品なし)
第9回(1996年度)『プラハ 小さな愛の詩』(公開タイトル『コーリャ 愛のプラハ』)(監督:ヤン・スベラーク)チェコ
第10回(1997年度)『パーフェクト サークル』(監督:アデミル・ケノビッチ)ボスニア・ヘルツェゴビナ/フランス『ビヨンド・サイレンス』(監督:カロリーヌ・リンク)ドイツ
第11回(1998年度)『オープン・ユア・アイズ』(監督:アレハンドロ・アメナーバル)スペイン
第12回(1999年度)『ダークネス&ライト』(公開タイトル『最愛の夏』)(監督:張作驥(チャンツォーチ))台湾
第13回(2000年度)『アモーレス・ペロス』(監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)メキシコ
第14回(2001年度)『スローガン』(監督:ジョルジ・ジュバニ)アルバニア/フランス
第15回(2002年度)『ブロークン・ウィング』(監督:ニル・ベルグマン)イスラエル
第16回(2003年度)『暖‐ヌアン』(公開タイトル『故郷の香り』)(監督:霍建起(フォジェンティ))中国
第17回(2004年度)『ウィスキー』(監督:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール)ウルグアイ/アルゼンチン/ドイツ/スペイン
第18回(2005年度)『雪に願うこと』(監督:根岸吉太郎)日本
第19回(2006年度)『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』(ビデオタイトル『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』)(監督:ミシェル・アザナビシウス)フランス
第20回(2007年度)『迷子の警察音楽隊』(監督:エラン・コリリン)イスラエル/フランス
第21回(2008年度)『トルパン』(監督:セルゲイ・ドボルツェボイ)ドイツ/スイス/カザフスタン/ロシア/ポーランド
第22回(2009年度)『イースタン・プレイ』(公開タイトル『ソフィアの夜明け』)(監督:カメン・カレフ)ブルガリア
第23回(2010年度)『僕の心の奥の文法』(監督:ニル・ベルグマン)イスラエル
第24回(2011年度)『最強のふたり』(監督:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ)フランス
第25回(2012年度)『もうひとりの息子』(監督:ロレーヌ・レビ)フランス
(宮本治雄 映画ライター / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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