東京科学大学(読み)とうきょうかがくだいがく(その他表記)Institute of Science Tokyo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京科学大学」の意味・わかりやすい解説

東京科学大学
とうきょうかがくだいがく
Institute of Science Tokyo

国立大学法人国立東京工業大学略称は東工大)と東京医科歯科大学(同、医科歯科大)が統合した大学。2024年(令和6)10月設立。略称は科学大、英語略称はScience Tokyo。日本有数の理工系と医歯系の教育・研究組織が融合・連携することで、世界トップクラスの科学系総合大学を目ざしている。予算規模を大きくすると同時に外部資金の獲得を目ざし、財務基盤を強化するねらいもある。国立大学が運営法人だけでなく大学自体も統合するのは、2007年(平成19)の大阪大学と大阪外国語大学以来。規制緩和など政府から特例を受ける指定国立大学法人どうしの統合は初めてとなる。

 旧東工大(1929年設立。前身は1881年創設の官立東京職工学校)は理工系で、旧医科歯科大(1946年設立。前身は1928年創設の東京高等歯科医学校)は医学分野で、ともに日本でトップクラスの教育・研究水準にあるが、欧米の理工・医学系有力大学に比べると、研究予算規模や論文の被引用数などで見劣りする。このため医工連携による研究力の向上で、政府が大学ファンド(10兆円規模)を通じて支援する国際卓越研究大学としての認定を目ざす。統合に伴い、異分野の研究者を集積した基礎研究の「総合研究院」、人文・社会科学系も融合した「未来社会創成研究院」、医工連携の「新産業創生研究院」の3研究院を設け、技術革新の促進、新産業の創出、未来の産業を担う人材の育成などを目ざしている。統合後も当面、旧2大学の教育課程学部・大学院定員、入学試験方式は維持している。大学本部は、旧東工大の東京都目黒区大岡山キャンパスに置く。経営を担う理事長に東工大出身の大竹尚登(おおたけなおと)(1963― 。機械材料・材料加工)、教育・研究担当の学長に医科歯科大出身の田中雄二郎(1954― 。消化器内科学・医学教育学)がついた。統合後の学生数は約1万3000人(学部生約6000人、大学院生約7000人)で、このうち留学生は約2000人。国立大学の経常収益でみると、東京大学、京都大学など旧帝大系に続き、全国7番目の規模である。

[矢野 武 2025年2月14日]

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