東山寺(読み)とうさんじ

日本歴史地名大系 「東山寺」の解説

東山寺
とうさんじ

[現在地名]津名町長沢

長沢ながさわ地区と現一宮町遠田とおだ地区との境界の山腹にある。平生山と号し、真言宗大覚寺派。本尊千手観音。寺伝では弘仁一〇年(八一九)創建といい、中世には守護細川氏の崇敬を受けたという。寺蔵の正中三年(一三二六)三月二五日願主尊忍奉納の鰐口銘に「淡路国津名郡東山寺」とある。戦国末期織田氏の兵火にかかり焼失、元和二年(一六一六)に再興され、寛文六年(一六六六)に再修された(味地草)。当寺の祀る月牌裏面には、宝永二年(一七〇五)厨子建立、同四―五年に仁王門建立、同五―六年に庵造立とあり、また正徳二年(一七一二)には本堂・鐘楼堂・仁王門を銅瓦とし、鎮守社四国堂を享保二年(一七一七)に造立したとある。


東山寺
とうさんじ

[現在地名]栄町小滝

小滝こたき集落の南に対峙する小丘陵にある。曹洞宗。山号曹渓山。本尊釈迦牟尼仏。元禄一〇年(一六九七)の諸寺院本末開基山号秘録(宝積院旧蔵)には上州沼田ぬまた(現群馬県沼田市)玉泉ぎよくせん寺末寺とあり、宝治二年(一二四八)宋の蘭渓道隆によって開かれた臨済宗の寺であったが、天文三年(一五三四)大面おおも城主丸田伊豆守が沼田玉泉寺五代宣州を招請して再興した時曹洞宗となり、山号も改めたという。安永六年(一七七七)の大面組郷帳(榎本善一郎氏文書)によれば、山之内に三十三番札所、山門に五百羅漢・四天王があり、門前は三軒、境内四反一〇歩のほか小滝村に二反大三三歩、高安寺こうあんじ村に四反三〇歩の御判田があり、同八年の覚書(栄村誌)によれば、帯織おびおり村でも田一反二〇歩が、慶安四年(一六五一)溝口氏三分家の検地の際、除地として下し置かれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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