東洋ラン(読み)とうようらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東洋ラン」の意味・わかりやすい解説

東洋ラン
とうようらん

ラン科(APG分類:ラン科)植物は園芸界では洋ランと東洋ランに分けることがあるが、熱帯から亜熱帯原産で、主として欧米で改良が始まったものを洋ランとよび、日本や中国大陸中・南部など主として温帯原産で、小形のものを東洋ランとよぶ。シンビジウムシュンラン)属が中心で、よく栽培されるものにシュンラン(春蘭)、カンラン寒蘭)、ホウサイラン(報歳蘭)、スルガラン駿河蘭)、ギョッカラン(玉花蘭)、イトラン(糸蘭)などがある。ほかにデンドロビウム属のセッコク石斛)、ネオフィネティア属のフウラン(風蘭)などがある。

[植村猶行 2019年5月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「東洋ラン」の意味・わかりやすい解説

東洋ラン【とうようラン】

ラン科シュンラン属(シンビジウム属)のうちで,日本・中国の温〜亜熱帯に産するものを園芸的にいう。いずれも葉は線状で,偽球茎は小さく,花は3枚の萼片と1枚の唇弁(しんべん)を含む3枚の花弁からなり,鉢植として香りとその東洋的な姿を観賞する。1茎に1花つくものと,多数花つけるものがあり,花色は白,緑,褐色など。おもな種類は日本に野生するシュンラン(春蘭),カンラン(寒蘭),ホウサイラン(報才蘭),スルガラン(駿河蘭),中国産の一茎九花(いっけいきゅうか),金稜辺,素心蘭,玉花蘭,鳳蘭(ほうらん)等。なお,同属の熱帯産の大型種は洋ランの中に入れられる。
→関連項目ラン(蘭)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「東洋ラン」の意味・わかりやすい解説

東洋ラン(蘭) (とうようらん)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の東洋ランの言及

【ラン(蘭)】より

…観賞以外の利用としては食品香料となるバニラや,生薬のサレップなどがある。【井上 健】
【洋ランと東洋ラン】
 日本の園芸界では,ラン科植物を東洋ラン,洋ラン,和ランなどに分けて取り扱っているが,これは植物学上での分類ではない。 日本や中国に原産し,古くから栽培されていたカンランやシュンランは東洋ランと呼ばれる。…

※「東洋ラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android