松坂木綿(読み)マツサカモメン

デジタル大辞泉 「松坂木綿」の意味・読み・例文・類語

まつさか‐もめん【松坂木綿】

松阪付近から産出する木綿織物縞木綿が主で、元禄(1688~1704)ころから伊勢神宮参拝の土産物として全国に普及した。

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精選版 日本国語大辞典 「松坂木綿」の意味・読み・例文・類語

まつさか‐もめん【松坂木綿】

  1. 〘 名詞 〙 伊勢国三重県)松坂付近から産出する木綿縞松坂縞
    1. [初出の実例]「早野の蒸汽は黒紋附を脱ぐと松坂木綿(モメン)の表に絹裏の附いた着物で」(出典落語・姫かたり(1890)〈三代目三遊亭円遊〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松坂木綿」の意味・わかりやすい解説

松坂木綿
まつさかもめん

伊勢(いせ)国(三重県)松坂地方で生産される綿織物近世になり木綿栽培が普及するとともに発達したもので、木綿と麻の交織や縞(しま)織物を織り出し、元禄(げんろく)年間(1688~1704)までには広く用いられるようになった。農家副業から企業として発展したのは明治中期以後で、昭和初期には15軒の機業場があったが、現在ではわずか数軒だけとなり、地藍(あい)を使って正藍染めしたものが織られるにすぎない。

[角山幸洋]

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世界大百科事典(旧版)内の松坂木綿の言及

【伊勢国】より

…茶も伊勢茶の呼名を得,江戸への販路をもつ産地もあり,開港後は輸出茶として急増した。木綿は中世末から作間稼ぎとして織り出されたが,しだいに草綿栽培地が拡張し,対外的には松坂木綿(松坂縞)の名が知られた。ナタネの栽培も盛んで,灯火・食糧用種油が搾られ伊勢水と称された。…

【松阪[市]】より

… 周辺農村で木綿生産が盛んになると,単なる宿場町ではなく,旧来の町々が商業地域となり,しだいに諸物資の集散と供給の機能をもつ商業都市として発達した。松坂木綿を扱う問屋町が生まれ,その活況のなかから伊勢商人が輩出,なかには江戸へ進出する者もあった。また,紀州藩の年貢米を扱う問屋もおこった。…

※「松坂木綿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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