核半径(読み)かくはんけい(その他表記)nuclear radius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核半径」の意味・わかりやすい解説

核半径
かくはんけい
nuclear radius

原子核を構成する陽子中性子はほぼ一様な密度で球状に分布し,分布の境界はかなり明瞭であると考えられている。この球の半径を核半径という。核半径 r は,中性子と原子核との散乱割合が原子核の質量数 A の 2/3 乗に比例することや,α崩壊の際のクーロン障壁の高さの推定,さらに高エネルギー電子散乱の解析などによって,r=(1.2~1.4)×10-15A1/3 (単位メートル) と知られている。これは,原子核の体積 (4π/3)r3 が質量数に比例することを示している。

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化学辞典 第2版 「核半径」の解説

核半径
カクハンケイ
nuclear radius

核力の飽和性と関連し,一般の原子核の密度はほとんど一定で,体積は質量数Aに比例している.したがって,核を球形と考えるとその半径RA1/3 に比例し,

Rr0A1/3
と表される.比例定数の値はいろいろの実験から

r0 ≅ 1.25×10-15 m
とされている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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