根本山(読み)ねもとさん

日本歴史地名大系 「根本山」の解説

根本山
ねもとさん

桐生市北端、栃木県安蘇あそ田沼たぬま町との境に位置し、標高一一九七メートル。登山口は四つあるが、桐生川の渓谷上流の桐生口と栃木県側の飛駒ひこま口が中心。北東十二じゆうに山を経て氷室ひむろ山、南は熊鷹くまたか山、丸岩まるいわ岳に連なる。ヤマグルマツガシオジなどの群落がある。行者山とも称し、桐生川源流の渓谷に臨む岩頭に根本山神社(奥院)が祀られ、祭神は大山祇命。社域方四間ほど、側壁は岩塊が屹立し鉄梯子・鉄鎖以外登降は至難であったという。社殿は方一間四方の破風造の精巧なもので(山田郡誌)、最近老朽化のため改修された。根本山の登山口今倉いまぐら(現梅田町五丁目)に戦国時代末に天台宗本山派修験の霊場として開山したという里宮大正たいしよう(藤倉家)は、別当家として奥院を守護し、桐生・足利地方の住民によって講を結成した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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