精選版 日本国語大辞典 「桑田碧海」の意味・読み・例文・類語 そうでん‐へきかいサウデン‥【桑田碧海】 〘 名詞 〙 桑畑が海に変わること。有為転変のはなはだしいことのたとえ。滄海桑田。[初出の実例]「今は昔に皈(かへ)り、昔は今に変り、古往今来風俗の移る事は、桑田碧海(サウデンヘキカイ)ぢゃが」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)[その他の文献]〔廬照鄰‐長安古意詩〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「桑田碧海」の解説 桑田碧海 桑畑が青い海に変わること。世の中の変遷が激しいことのたとえ。 [使用例] この社会的の変動のため、まず影響を蒙りたる者は、実にこの豪農郷きょう紳しんなりき。ここにおいてか桑田碧海の変は、士族の上よりしてただちに平民豪族の上に落ち来きたり[竹越与三郎*新日本史|1891~92] [使用例] 桑田碧海の変と言うほどではないが、地形の変化はこのテルモピレーも埋められ、嶮けん崖がいは海岸線から稍々遠く距へだたって、緩傾斜になってしまった[浜田青陵*温泉雑記|1924] [使用例] 世界の地図にも、東洋の要港として、必ず記入さるるわが横浜市も、五十年前の昔を顧みれば、実に碧海桑田もただならざるなり[石井研堂*明治事物起原|1944] [解説] 昔海だったところが埋め立てられて街になる例は、現代ではいくらでもあります。昔も、風景が一変してしまう様子を表す言い方がありました。 そのおおもとは晋代の「神仙伝」の文章です。麻ま姑こという仙女が「以前お会いしてから、すでに東の海が干上がって桑畑になり、また海に戻るのを三度見ました」と語る場面があります。 その後も、たとえば、唐代の盧ろ照しょう鄰りんの詩で「桑田碧海」と詠まれたり、宋代の蘇そ軾しょくの詩で「渤ぼっ澥かい桑田」(=渤海湾が桑畑になる)と歌われたりしています。これらもほぼ同じ意味です。 四字熟語の形ではなく「滄そう海かい(=青い海)変じて桑田となる」とも言います。これを縮めた「滄海桑田」あるいは「滄桑の変」ということばもあります。 どれを覚えればいいか迷ってしまいますが、四字熟語では「桑田碧海」「滄海桑田」がよく使われています。上の例文には「碧海桑田」も入れておきました。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報