デジタル大辞泉 「有為転変」の意味・読み・例文・類語 うい‐てんぺん〔ウヰ‐〕【有為転変】 《「ういてんべん」とも》仏語。この世の中の事物一切は因縁によって仮に存在しているもので、常に移り変わっていくはかないものであるということ。「有為転変は世の習い」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「有為転変」の意味・読み・例文・類語 うい‐てんぺんウヰ‥【有為転変】 〘 名詞 〙 ( 古くは「ういてんべん」 ) =ういむじょう(有為無常)[初出の実例]「有為転変(ウイテンベン)の世の習ひ、今に始めぬ事なれ共」(出典:太平記(14C後)三六)「うゐてんべんの世の中に、未来の事は思はずし」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「有為転変」の解説 有為転変 この世の現象は、因縁のからみ合いによって生じたものであるため、一瞬もとどまることなく移り変わっていくということ。単に物事が転変の運命をたどることについてもいう。 [活用] ―する。 [使用例] 詩人は恋をうたい、小説家は情熱を分析し、劇作家は人生の有為転変を支配する運命について語ります[加藤周一*文学とは何であるか|1950] [使用例] 著者はここ三十年間にみずから体験したカツドー写真の有為転変についてつらつら考察をめぐらしたということらしい[石川淳*夷斎俚言|1952] [使用例] その頃にこの絵巻が、熊野から賀茂に齎もたらされたとすると、仮に王朝末から鎌倉時代はじめのものとして、七百年ぐらいの間にどういう有為転変を経たものか[円地文子*彩霧|1976] [解説] 「いろはにほへと……」で始まる「いろは歌」。最近は知らない人が多くなりました。この歌の中に「うゐのおくやま」というフレーズが出てきます。漢字で書けば「有為の奥山」です。 「有為」というのは仏教語です。何かの原因が元で作られた、この世のさまざまな現象のことを指します。作られたものは変化し、消滅していきます。そうした、はかないものに満ちたこの世のことを「有為の奥山」と言うのです。 はかないこの世は、休むことなく移り変わっていきます。これが「有為転変」です。「諸行無常」というのも、これと同じ意味のことばです。 仏教的な意味合いのある「有為転変」ですが、今では、「激しく移り変わる」というほどの意味でも使われます。 駅前の繁華街を訪れるたび、以前あったはずの店が、どんどん別の店に変わっている。そんな様子を「駅前の有為転変が激しい」と言ったりします。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報