桜貝(読み)サクラガイ

精選版 日本国語大辞典 「桜貝」の意味・読み・例文・類語

さくら‐がい‥がひ【桜貝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ニッコウガイ科の二枚貝。北海道南部以南の内湾の潮下帯に分布し、殻は浜辺によく打ちあげられる。殻は薄く、殻長約三センチメートルの扁平な楕円形で、表面に輪脈がある。殻の内外とも桜色で光沢があって美しい。貝殻細工に利用。古くからよく知られ、歌などに詠まれる。べにがい。はながい。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「よる散ける花のやり水の浪によせられてすはうかひのさまなるに桜かひとは是をやなといひて よもすから散ける花を朝ほらけあかしの浜のかひかとそみる」(出典:公任集(1044頃))
  3. 動物「たこのまくら(蛸枕)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「桜貝」の解説

桜貝 (サクラガイ)

学名Nitidotellina nitidula
動物。ニッコウガイ科の二枚貝

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の桜貝の言及

【バカガイ(馬鹿貝)】より

…貝柱はとくに美味とされ,江戸のしり取り歌にも〈…うしろ向き,むきみはまぐり,馬鹿はしら,柱は二階…〉といわれている。乾製品のうちで,そのまま干したのを桜貝,足を細く引きのばしたのを姫貝という。サハリンから九州,朝鮮半島,中国沿岸まで広く分布し,内湾の潮間帯より水深20mの細砂底にすむ。…

※「桜貝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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