(読み)トネリコ

デジタル大辞泉 「梣」の意味・読み・例文・類語

とねりこ【×梣】

モクセイ科の落葉高木。本州中部以北の山地自生。葉は長卵形の小葉からなる羽状複葉雌雄異株で、春、葉より先に淡緑色の小花を円錐状につけ、長い翼のある実を結ぶ。田のあぜなどに稲架はさ木として植えられ、材は家具スキーなどに用いる。さととねりこ。

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精選版 日本国語大辞典 「梣」の意味・読み・例文・類語

とねりこ【梣】

〘名〙
① モクセイ科の落葉高木。北海道、本州の中北部の湿った林に生え、また田の畦に植えて稲掛にする地方もある。高さ約六メートル。葉は普通奇数羽状複葉で対生する。各小葉は短柄をもち長さ五~一五センチメートルの長卵形で先端は鋭くとがり、縁に粗い鋸歯(きょし)がある。軸と葉裏の脈に短毛を密生する。春、前年の頂芽から出た小枝に散形状円錐花序を作って、淡緑色の花が咲く。花には普通四個のがくがあって花冠がない。果実は翼果で長さ約三センチメートル。樹皮を秦皮(しんぴ)といい、収斂(しゅうれん)・解熱薬に用い、材では家具、スキー、野球のバットなどをつくる。漢名に「秦皮」「梣皮」を当てるが別種の名という。とねりこぎ。とねりこのき。さととねりこ。
※散木奇歌集(1128頃)雑上「とねりこのしたにいばゆる駒ひゆを引きすてたらばぬしやのるべき」
② 植物「はしばみ(榛)」の異名。〔観智院本名義抄(1241)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「梣」の解説

梣 (トネリコ・トネリコギ)

学名Fraxinus japonica
植物。モクセイ科の落葉高木,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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