(読み)シン

デジタル大辞泉 「榛」の意味・読み・例文・類語

しん【榛】[漢字項目]

人名用漢字] [音]シン(呉)(漢) [訓]はしばみ
雑木や草が群がり生える。やぶ。「榛荊しんけい榛莽しんぼう・しんもう
[名のり]はり・はる

はしばみ【×榛】

カバノキ科の落葉低木。日当たりのよい地に生え、高さ約5メートルに達する。葉は円形で先がとがり、縁に不規則なぎざぎざがある。3月ごろ葉より先に、黄褐色の尾状の雄花穂と紅色雌花とがつく。実はどんぐり状で、葉状総苞そうほうに包まれ、食用 実=秋 花=春》

はり【×榛】

ハンノキの古名。
「明けされば―のさ枝に夕されば藤の繁みに」〈・四二〇七〉

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精選版 日本国語大辞典 「榛」の意味・読み・例文・類語

はしばみ【榛】

  1. 〘 名詞 〙 カバノキ科の落葉低木。北海道、本州、九州の日当たりのよい山野に生え、ヨーロッパでは果実を食用にするため近縁種を栽培している。高さ三~五メートル。葉はほぼ円形で先が急にとがり長さ約一〇センチメートル、縁に浅い欠刻があり、さらに細かい鋸歯(きょし)がある。雌雄同株。春、葉に先だって枝先に黄褐色の雄花を尾状花序に密生し、その下部に紅色の雌花を上向きにつける。果実は球形で堅く下部は葉状の二枚の総苞につつまれる。漢名、榛。

▼はしばみの花《 季語・春 》

▼はしばみの実《 季語・秋 》 〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕


はり【榛】

  1. 〘 名詞 〙 植物「はんのき(榛木)」の古名。
    1. [初出の実例]「猪の 病猪の 吼(うた)き恐み 我が逃げ登りし 在峰(ありを)の 波理(ハリ)の木の枝」(出典:古事記(712)下・歌謡)

さい‐ばり【榛・割榛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さきはり(割榛)」の変化した語 ) 榛(はん)の木を細くさいたときに出る液を染料としたもの。
    1. [初出の実例]「〈本〉佐伊波里(サイバリ)に衣は染めむ雨ふれど 〈末〉雨ふれど移ろひがたし深く染めてば」(出典:神楽歌(9C後)大前張・榛)

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普及版 字通 「榛」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音] シン
[字訓] はしばみ・しげる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は秦(しん)。〔説文六上に「木なり」とあり、はしばみ。また雑木林をいう。

[訓義]
1. はしばみ。
2. やぶ、雑木林。
3. あつまる、しげる、おいしげる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕榛 波自加弥(はじかみ) 〔名義抄〕榛 ハシバミハジカミトネリコ・オドロ/榛子 ハシバミ 〔立〕榛 ハシバミ・ツバキ・トネリコ

[熟語]
榛穢・榛煙・榛・榛居榛墟・榛棘・榛・榛・榛梗・榛曠・榛荒・榛刺・榛榛・榛草・榛叢・榛・榛塞・榛薄・榛・榛・榛迷・榛栗・榛林・榛
[下接語]
丘榛・棘榛・榛・荒榛・贄榛・深榛・叢榛・長榛・披榛・

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動植物名よみかた辞典 普及版 「榛」の解説

榛 (ハシバミ)

学名:Corylus heterophylla var.thunbergii
植物。カバノキ科の落葉低木,園芸植物,薬用植物

榛 (ハンノキ・ハリ)

学名:Alnus japonica
植物。カバノキ科の落葉高木,園芸植物

榛 (ハンノキ)

植物。夜叉五倍子の別称

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