植物性機能(読み)しょくぶつせいきのう(その他表記)vegetative function

精選版 日本国語大辞典 「植物性機能」の意味・読み・例文・類語

しょくぶつせい‐きのう【植物性機能】

  1. 〘 名詞 〙 動植物に共通してみられる栄養成長生殖などの生体機能の総称古くからの生理学(特に人体生理学)の用語で、動物性機能に対していう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「植物性機能」の意味・わかりやすい解説

植物性機能
しょくぶつせいきのう
vegetative function

動物における生理機能のうち運動神経系に関する機能 (被刺激性機能) は動物に特有と考え,これらを除いた諸機能,すなわち成長,栄養,生殖,外分泌および内分泌などをいう。たとえば栄養に関しては消化血液循環も関係し,他の機能についても同様に,動物独自の機能面が関与しているので,これらを「植物性」と表現するのは妥当でない点もあるが,上記のような諸機能はごく原理的には植物にも共通であるとの見方から,こうした形容が生れ,いまも慣用されている。

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世界大百科事典(旧版)内の植物性機能の言及

【植物人間】より

…脳の外傷や脳の病気などで意識のない状態となり,入院して強力な治療を受けて一命をとりとめたものの,意識がもどらない状態になった人間のこと。〈植物〉とは,植物のように動かないということではなく,〈植物性機能だけが働いていて,動物性機能が働いていない状態〉のことをさし,このような状態をさして1972年以後,〈植物状態〉というようになった。 人間の営む働き(機能)を,生理学の教科書では伝統的に二つに大きく分けてきた。…

【自律機能】より

…自律機能は,植物性機能あるいは不随意機能と呼ばれ,生体にとって最も基本的な,循環,呼吸,消化,排出,代謝,分泌,体温,生殖などの諸機能のことをいう。自律機能は,生体内の内部環境を常時,生命の維持に最適な状態に保つように主として自律神経系ホルモンによって調節されているが,一部運動神経系によっても調節されうる。…

※「植物性機能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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