朝日日本歴史人物事典 「椎本才麿」の解説
椎本才麿
生年:明暦2(1656)
江戸前・中期の俳人。大和国(奈良県)宇陀郡の人。本姓は谷氏。通称,八郎右衛門。初号則武。別号,西丸,才丸など。初め山本西武門,のちに井原西鶴門。延宝5(1677)年ごろ東下,同7年,『坂東太郎』を上梓,松尾芭蕉らと共に新風を推進した。元禄2(1689)年,大坂に移住し,小西来山の後ろ楯で大坂俳壇に地歩を固める。やがて同俳壇の中心人物となり,吉田了雨ら多くの門人を輩出,その勢力は近世後期にまでおよんでいる。代表句「笹折て白魚のたえだえ青し」など。<参考文献>鈴木重雅「椎本才麿」(明治書院『俳句講座』2巻)
(加藤定彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報