精選版 日本国語大辞典 「椿科」の意味・読み・例文・類語
つばき‐か‥クヮ【椿科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科の一つ。一六属五〇〇余種あり、熱帯および亜熱帯を中心に汎世界的に分布する。高木または低木。葉は皮質で、互生し托葉が無い。通常、花は両性で単生し、しばしば花の構造の一部が螺旋状に配列している。宿存性の萼片は五~七枚あり、瓦状配列している。花弁は五枚、時に四~多数あり、互いに重なり合っている。ふつう、多数の雄ずいがあり、まれに五~一五個、互いに合生して、束になるか基部が筒状になる。子房は上位で五または二~一〇個の心皮が合生している三~五室を作るが、子房下位で二~三個の心皮から成るものもある。各室に二~四または多数の胚珠がある。果実は蒴果(さっか)または石果、時に液果。種子には胚乳がほとんど無い。この仲間は、蒴果または石果を持ち、小さな葯(やく)が花糸の先端に着いていて、動きやすいもの(ツバキやチャなど)と、液果で葯が長く伸びていて、花糸と堅く固定しているもの(ヒサカキなど)に大別され、前者は主に温帯を中心に生育するのに対して、後者は熱帯に生育圏を持っていて、花の構造からハイノキ科に近縁な一群と考えられ、従って、この二群を独立の科として扱う場合がある。この仲間のチャはインド、スリランカ、中国、日本などで広く栽培され、緑茶や紅茶を作る。また、ツバキ、サザンカは園芸樹木として広く世界に栽培され、多くの園芸品種が作り出されている。ちゃ科。