ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「機械論的唯物論」の意味・わかりやすい解説
機械論的唯物論
きかいろんてきゆいぶつろん
mechanical materialism
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…しかし,往時はまだ大脳生理学的知見は乏しく,また〈機械〉のモデルとなったものもせいぜい,時計や当時はやった自動人形程度のものであり,人間の精神現象に関する機械論的解釈はかなり抽象的,空想的であり,十分科学的なものとはいいがたいものであった。しかし,当時一般的であったキリスト教的人間観に対して与えた衝撃は大きく,啓蒙期哲学の一つのきわだった流れであった機械論的唯物論を主導することとなった。20世紀,とくにその後半に至り,一方で,分子生物学や大脳生理学の急速な進展により,人間のさまざまな機能,なかんずく精神現象の物質的基盤が明らかになり,また他方,電子工学の発展により,これらの人間的機能が電子工学的にモデル化されるに至り,人間機械論は格段に具体性を帯びることになった。…
…デカルト自身は,真空を認めなかったために,ちょうどその生涯の途中でガッサンディによって積極的に紹介,導入された古代原子論と,その新しい展開にはくみしなかったが,人間を除く世界でのデカルト的物質一元論は,原子論と絡み合いながら,機械論哲学を形成することになる。18世紀啓蒙主義者のすべてが,こうした機械論的唯物論であったわけではなく,むしろ,ラ・メトリーの場合にも,物活論的傾向が隠されている。しかしこの時期にニュートン力学が数学的に洗練された結果,物質と運動のうちの運動に関しては,間然題するところのない(と思われた)因果法則を得,また物質そのものについては,原子論が整備された結果,〈ラプラスの魔〉に象徴されるような,根元的な機械論的唯物論の誕生をみた。…
※「機械論的唯物論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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