機能性心雑音

六訂版 家庭医学大全科 「機能性心雑音」の解説

機能性心雑音
(子どもの病気)

 機能性心雑音とは、心臓に異常がないのに心臓から聞こえる雑音のことです。無害性心雑音ともいいます。これは、正常に心臓が血液を送り出している時に聞こえる音で、典型的な場合は楽器の弦を鳴らした時のようなブーンという音のようになります。

 そのほか、貧血があったり、発熱、運動後など心臓から送り出される血液量が多い時などに聞こえる雑音もこの分類に入ります。

 一方、多くの先天性の心臓病では、心臓の壁に穴があいていたり(欠損孔(けっそんこう))、弁や血管が狭かったり(狭窄(きょうさく))、弁が逆流僧帽弁(そうぼうべん)の閉鎖不全)しているため、やはり心雑音が聞こえます。これらは狭いすきまから血液がもれる時の音で、風が吹くようなザーとかシューというような長い音として聞こえます。

 このような心雑音が聞こえた場合には、機能性心雑音との区別が必要です。聴診器である程度可能ですが、心エコーなどの検査での確認が必要な場合もあります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

世界大百科事典(旧版)内の機能性心雑音の言及

【心音】より

…正常な場合でも,心雑音は動脈に血液が流れるときに,短い強度の低い音として聞かれることがある。これを機能性心雑音(無害性心雑音)と呼ぶ。しかし多くの場合,耳に強く残る中等度以上の雑音は異常である。…

※「機能性心雑音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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