欠け(読み)カケ

デジタル大辞泉 「欠け」の意味・読み・例文・類語

かけ【欠け/×缺け/×闕け】

完全なものの一部分がなくなること。「月の満ち―」
かけて、取れた部分。かけら。「かわらの―」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「欠け」の意味・読み・例文・類語

かけ【欠・缺・闕】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かける(欠)」の連用形の名詞化 )
  2. 月が、満月からしだいに不完全な形になること。
    1. [初出の実例]「世間は空しきものとあらむとそこの照る月は満ち闕(かけ)しける」(出典:万葉集(8C後)三・四四二)
  3. 破損したものの一片破片。かけら。また、全体の中の破損した部分。
    1. [初出の実例]「飯(いひ)のかけを蟻にたびたりけるが」(出典:雑談集(1305)五)
    2. 「瀬戸物の砕片(カケ)」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一〇)
  4. そろっているはずのもののうち、抜け落ちたり失われたりしたもの。欠員など。
    1. [初出の実例]「そちもおれもその智恵が、まあ五年早う出れば、燈なしに寝ながら月も見ねど、遅い斗に夜中に一門の欠(カケ)を尋ねに歩くは」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
  5. 「かけせん・かけぜに(欠銭)」の略。
    1. [初出の実例]「我ならで異銭(ことぜに)(ゑ)るなかたなしやころかけ取らぬ法度(はっと)なりとも」(出典:仮名草子仁勢物語(1639‐40頃)上)

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