(読み)キン

デジタル大辞泉 「欽」の意味・読み・例文・類語

きん【欽】[漢字項目]

人名用漢字] [音]キン(漢) [訓]つつしむ
つつしみ敬う。「欽仰欽羨きんせん欽慕
天子に関する物事に付けて敬意を示す語。「欽定欽命
[名のり]うや・こく・ただ・ひとし・まこと・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「欽」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] キン・ギン
[字訓] つつしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は金(きん)。〔説文〕に欠部八下に属して「欠(けん)(あくび)する皃なり」とするが、〔書、尭典〕に「欽」の語があり、〔爾雅、釈詁〕に「なり」と訓し、敬慎の義を本義とする。金文の〔者減鐘〕に鐘声を「惠惠(きんきん)、(わわ)金金」と形容しており、(音)は(きん)の初文、金は欽の初文である。したがって後に加えられている欠は、神に祈る意か、神がそれを(う)ける意を示すものであろう。欽は欽敬欽明の意となり、享・の意となった。

[訓義]
1. つつしむ、うやまう。
2. 欽欽は、神を祭るときの鐘の音。
3. 敬称として、天子に関することについて、欽定・欽差のようにいう。
4. あくび。
5. 吟と通じ、うめく。ギンの音でよむ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕欽 祢加不(ねがふ)、、保己乃佐ほこのさき) 〔名義抄〕欽 ウヤマフ・コノム・ネムコロ・ツツシム・タフトブ・ネガフ・フケル・アガム・ユヅル・ノブ・ツツマシ・ツツム・ウレフ

[熟語]
欽愛・欽案欽頤・欽悦・欽荷・欽玩・欽貴・欽仰・欽欽欽崟・欽敬・欽慶・欽件・欽工・欽差欽哉・欽柴欽此欽咨欽賜・欽若・欽修欽恤・欽順欽遵・欽除・欽承・欽賞・欽尚・欽心・欽身・欽崇欽羨欽戴・欽遅欽勅・欽定・欽念・欽派欽佩欽頒・欽服・欽慕・欽明・欽命・欽翼
[下接語]
久欽・仰欽・夙欽・所欽・叙欽・丕欽

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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