止(漢字)

普及版 字通 「止(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音]
[字訓] あし・とまる・とどまる・ただ

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 象形
趾(あし)あとの形。(歩)の上半。もと之と同形であった。〔説文〕二上に「下基なり。艸木の出でて址(あし)るに象る。故に止を以て足と爲す」とあり、止・基の畳韻を以て解する。〔説文〕は止・之をともに草木初生の象と解するが、いずれも趾あとの形である。〔礼記、曲礼上〕「何(いづ)くにか止(あし)せんかと問ふ」とは、寝臥のとき、趾を向ける方向を問う意。また強く趾あとを印するのは、そこに止まる意。副詞の「ただ」や終助詞に用いるのは、仮借用法である。

[訓義]
1. あし、あしあと。
2. とまる、とめる、とどまる。
3. ことをやめる、やむ、中断する、終止する。
4. いたる、かえる、往反
5. ふるまい、容止。
6. と通じ、まつ。
7. 副詞のただ、また終助詞。多く詩に用いる。

[古辞書の訓]
名義抄〕止 トドマル・トドム・ヤム・シタガフ・イタル・タダヲリ 〔字鏡集〕止 タダ・トドム・ウ・ヰル・ヤム・ヲリ・シタガフ・トドマル・イタル・ツカサドル・シヅカナリ

[部首]
〔説文〕に(前)・(歴)・歸(帰)・など十三字、〔玉〕になお十余字を加える。はもとに作り、止(あし)を舟(盤)中で洗う形で、(すす)ぐ意。いま用いるは、に刀を加えて爪を剪(き)り(そろ)える形であるから、は剪・の初文。はもとに作り、両禾(りようか)は軍門。戦歴を示すので、のち経歴の意を以て止を加えた。歸の初文は止に従わず、また(しよう)は髪を整えた婦人が、祭祀に従って敏捷に行動する形。いずれも止に従う字ではない。

[声系]
〔説文〕に止声として(祉)・徙・齒(歯)・沚・阯など七字を収める。止には基本義として、先端の止まるところという意があるようである。

[語系]
止(趾)・址・阯tjiは同声。ほとんど通用しうる字である。沚tjiも同声であるが、(渚)tjia、洲(州)tjiuも声義近く、水のせまり止まるところをいう。巳jiは声近く、副詞の「ただ」や終助詞の用法は、またその系列の語の用法である。

[熟語]
止遏止戈止渇・止居・止・止極・止禁止憩止艮・止次・止舎止邪止守・止酒・止宿・止水・止絶・止足・止息止託止畜止駐・止定止頓・止泊止蹕止暴止謗・止約・止立止留止戻
[下接語]
呵止・訶止・幹止・諫止・休止・拒止・挙止・虚止・仰止・欽止・勤止・止・禁止・憩止・行止・艮止・遮止・終止・笑止・進止・酔止・制止・静止・沮止・阻止・中止・懲止・定止・停止・動止・廃止・発止・方止・防止・黙止・容止・抑止・麟止・戻止・労止

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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