歩射/徒弓(読み)カチユミ

デジタル大辞泉の解説

かち‐ゆみ【歩射/徒弓】

徒歩で弓を射ること。また、その弓。歩射(ぶしゃ)。→騎射(うまゆみ)
「―のすぐれたる上手どもありければ」〈・若菜下〉

ぶ‐しゃ【歩射】

歩きながら弓を射ること。かちゆみ。⇔騎射
奉射(ぶしゃ)」に同じ。

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大辞林 第三版の解説

ぶしゃ【歩射】

( 名 ) スル
徒歩で弓を射ること。かちゆみ。 ⇔ 騎射 「内裏に諸衛の-已上、東宮帯刀等を召し、諸の射事有り/日本紀略」
奉射ぶしや」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歩射
ぶしゃ

本来は騎射(うまゆみ)に対する歩射(かちゆみ)、すなわち歩立(かちだち)で弓を射ることの総称であるが、一方でかなり早くから、神前で大的を射る奉射(ぶしゃ)と混用されている。前者は実質的には弓矢の発生とともに行われ、670年(天智天皇9)に始まるという朝廷の射礼(じゃらい)や弓場始(ゆばはじめ)なども含まれ、歩射の用語も早く『令義解(りょうのぎげ)』にみえる。また的によって大的、小的、草鹿(くさじし)、円物など多くの種類がある。後者はおもに正月に行われる神事で、年占(としうら)や魔除(まよ)けの意味をもつ。賀茂(かも)社や熱田(あつた)神宮などの神事は早くから著名であった。今日でも「びしゃ」「ほうしゃ」「ほしゃ」などともよんで全国各地に伝わっているが、本来の姿を失って、酒宴や会食だけにおもかげをとどめている所もある。[宮崎隆旨]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぶ‐しゃ【歩射】

〘名〙
① 歩きながら弓を射ること。かちゆみ。⇔騎射(きしゃ)
※実隆公記‐文明一六年(1484)正月一一日「自三栖庄武射饗、三及打竹等進上之
※武田射礼日記(1480)「歩射は根本、神社の礼として、酒饗を備へ、神事を成と見へたり、是偏に国家を治め、魔障を退くる祭礼なり」

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世界大百科事典内の歩射/徒弓の言及

【的】より

…海上射撃では水上を曳航(えいこう)される的を船上あるいは海岸から射撃する。アーチェリー射撃競技【妹尾 幹】
[日本]
 弓矢の的には鍛錬用と歩射(かちゆみ∥ぶしや)用,騎射(うまゆみ)用の別がある。射法を鍛錬するためには〈つくら〉といって〈ねこがき〉または〈ねこた〉という織り方のむしろを巻いて作り,台の上にすえて小口を射るのを例とした。…

【弓道】より

…武士は〈弓矢執る身〉といわれ,その生き方を〈弓馬の道〉〈弓矢の道〉と称した。鎌倉時代の武士たちは流鏑馬(やぶさめ),犬追物(いぬおうもの),笠懸(かさがけ)などの騎射を盛んに行う一方,百手(ももて)式,大的(おおまと)式,草鹿(くさじし)などの歩射を行った。今日われわれが目にする騎・歩射の各式の源流はここにある。…

【的】より

…海上射撃では水上を曳航(えいこう)される的を船上あるいは海岸から射撃する。アーチェリー射撃競技【妹尾 幹】
[日本]
 弓矢の的には鍛錬用と歩射(かちゆみ∥ぶしや)用,騎射(うまゆみ)用の別がある。射法を鍛錬するためには〈つくら〉といって〈ねこがき〉または〈ねこた〉という織り方のむしろを巻いて作り,台の上にすえて小口を射るのを例とした。…

【弓道】より

…武士は〈弓矢執る身〉といわれ,その生き方を〈弓馬の道〉〈弓矢の道〉と称した。鎌倉時代の武士たちは流鏑馬(やぶさめ),犬追物(いぬおうもの),笠懸(かさがけ)などの騎射を盛んに行う一方,百手(ももて)式,大的(おおまと)式,草鹿(くさじし)などの歩射を行った。今日われわれが目にする騎・歩射の各式の源流はここにある。…

※「歩射/徒弓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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