母系制社会(読み)ぼけいせいしゃかい

山川 世界史小辞典 改訂新版 「母系制社会」の解説

母系制社会(ぼけいせいしゃかい)

血筋母方にのみたどる母系出自規制にもとづく社会。これに婿入婚(むこいりこん),母系の財産相続などをあわせて母権制と呼ぶことがある。母系制社会は人類が必ず通過する必然的な発展段階ではなく,また文化圏説における母権農耕民文化圏という考えは今日支持されていない。母系制は一般に農耕民に多いが,ごく未開な農耕民よりもむしろ高文化の影響圏に主としてみられる。しかしそういうところでも父系制や双系制をとっている場合も多い。

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旺文社世界史事典 三訂版 「母系制社会」の解説

母系制社会
ぼけいせいしゃかい

原始社会にみられた母系で血縁がたどられる社会
モルガンの『古代社会』(1877)の研究に始まり,現在では,その起源は,ある時期女子生産活動男子より重要な役割を果たしたことによるとも考えられている。狩猟民族・遊牧民族には母系制社会はほとんどない。

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