水の子(読み)みずのこ(英語表記)The Water-Babies

精選版 日本国語大辞典 「水の子」の意味・読み・例文・類語

みず【水】 の 子(こ)

  1. 盆の供物一つ茄子(なす)南瓜(かぼちゃ)里芋などを賽の目に刻み、墓や盆棚に上げるもの。水の実。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水の子」の意味・わかりやすい解説

水の子
みずのこ
The Water-Babies

イギリスの作家チャールズ・キングズリーが「陸の子供のためのフェアリー・テイル」A Fairy Tale for a Land Babyの副題を付して1863年に出版したファンタジー煙突掃除の少年トムが、誤って川に落ちて水の子に変わり、水の世界でさまざまな教えを受け、真の救いを求めて遍歴する空想の物語。進化論信仰との融合努力が生んだ水の子の着想が、子供のための空想の物語を、昔話的なものから小説的なものに発展させたと評される。また、作者内面の反映である肉体精神葛藤(かっとう)を暗示しているともいわれる。

神宮輝夫

『阿部知二訳『水の子』(1952・岩波書店)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android