水素社会(読み)スイソシャカイ(英語表記)Hydrogen Society

デジタル大辞泉 「水素社会」の意味・読み・例文・類語

すいそ‐しゃかい〔‐シヤクワイ〕【水素社会】

日常生活や産業活動の主要なエネルギー源として水素利用する社会
[補説]水素は燃焼する際に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない。再生可能エネルギーによって水を電気分解して得た水素を利用すれば、製造から利用まで二酸化炭素が発生せず、環境への負荷を低減することができる。また、自然条件によって出力が変動する再生可能エネルギーを水素に変換して貯蔵できるという利点もある。

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共同通信ニュース用語解説 「水素社会」の解説

水素社会

石油などの化石燃料に代えて、水素をエネルギー源として幅広く活用する社会。水素は燃やしても二酸化炭素(C〓(Oの横に小文字の2))を出さず、環境への負荷が少ない。日本では家庭用燃料電池(エネファーム)の普及が進むほか、昨年12月にトヨタ自動車燃料電池車を世界で初めて一般向けに発売した。政府は補給拠点となる水素ステーションを2015年度中に全国100カ所程度に増やすとしている。水素や燃料電池市場の規模は、50年には8兆円に達するとの試算もある。

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知恵蔵mini 「水素社会」の解説

水素社会

水素を主要なエネルギー源として日常生活や産業活動に利活用する社会。水素は再生可能エネルギーや化石燃料などの様々な1次エネルギーから製造することができ、天候によって出力が変動する再生可能エネルギーの余剰電力を水素に変換して貯蔵することも可能である。また、水素はエネルギー効率が高い上、利用時にCO2などの温室効果ガスを排出せず、燃料電池によって電力を生成することもできる。こうした利点から、水素は化石燃料に代わる次世代のエネルギーとして期待を集めており、水素発電システムや燃料電池、燃料電池車(FCV)の開発、水素ステーションの整備など、水素社会の実現に向けた研究開発や実証事業が日本を含む世界各国で行われている。その一方で、水素の製造、輸送、貯蔵、供給の各段階における技術革新や低コスト化、制度やインフラの整備など課題も山積しており、対策が求められている。

(2014-12-25)

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