沢蘭(読み)サワアララギ

デジタル大辞泉 「沢蘭」の意味・読み・例文・類語

さわ‐あららぎ〔さは‐〕【沢×蘭】

サワヒヨドリ古名
「もみてる―一株ひともと抜き取り」〈・四二六八・題詞

さわ‐らん〔さは‐〕【沢×蘭】

ラン科の多年草。中部以北の山中湿地自生。高さ約20センチ。1枚の葉と1本花茎とを出し、夏、紅紫色の花を横向きに開く。あさひらん。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「沢蘭」の意味・読み・例文・類語

さわ‐らんさは‥【沢蘭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ラン科の多年草。本州中部以北の深山の湿地に生える。高さ約二〇センチメートル。葉は一枚だけ生じ披針形で基部は茎を抱く。六~七月、茎頂紫紅色筒状花を一個横向きに半開する。あさひらん。〔日本植物名彙(1884)〕
  3. 植物「すずらん(鈴蘭)」の異名。〔物品識名(1809)〕

さわ‐あららぎさは‥【沢蘭】

  1. 〘 名詞 〙 植物「さわひよどり(沢鵯)」の古名。
    1. [初出の実例]「天皇太后共幸於大納言藤原家之日黄葉沢蘭一株抜取」(出典万葉集(8C後)一九・四二六八・題詞)

たく‐らん【沢蘭】

  1. 〘 名詞 〙 植物「さわひよどり(沢鵯)」の漢名。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

あかま‐ぐさ【沢蘭】

  1. 〘 名詞 〙 植物「さわひよどり(沢鵯)」の古名。〔本草和名(918頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「沢蘭」の解説

沢蘭 (サワラン)

学名Eleorchis japonica
植物。ラン科の多年草,高山植物

沢蘭 (サワラン)

植物。ユリ科の多年草,園芸植物,薬用植物スズラン別称

沢蘭 (アカマグサ・サワアララギ)

植物。キク科の多年草,薬用植物。サワヒヨドリの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の沢蘭の言及

【アサヒラン(旭蘭)】より

…紅紫色の花色よりアサヒランの名がある。別名の沢蘭(さわらん)は湿原生であることによる。葉は冬に枯れ,偽球茎で越冬する。…

※「沢蘭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android