① ユリ科の多年草。北海道の低地草原、本州・九州の高原に生える。ヨーロッパに自生するドイツスズランも同一種と考えられ、観賞用に栽培されているものはヨーロッパ産の場合が多い。高さ一五~二〇センチメートル。葉は二枚を根生。葉身は広楕円形で先はとがり、基部は鞘となって互いに抱き、裏面は白色を帯びる。春、葉腋から葉より短い花茎を出し、白い鐘形花を約一〇個総状につける。六枚の花被片はなかばまで合生している。果実は球形の液果で赤く熟す。全草を強心薬に用いる。きみかげそう。たにまのひめゆり。《 季語・夏 》 〔物品識名(1809)〕