河合神社(読み)かわいじんじや

日本歴史地名大系 「河合神社」の解説

河合神社
かわいじんじや

[現在地名]左京区下鴨泉川町

糺森ただすのもりにある賀茂御祖かもみおや神社(下鴨神社)の摂社。「延喜式」神名帳の愛宕おたぎ郡に「カモノ 川合カハアヒニ 坐小社宅神社名神大、月次相嘗新嘗」とみえる。小社宅おこそべ神社が正式名であるが、一般には高野たかの川と賀茂川の合流する地にあたるところから河合社とよばれ、只洲ただす社とも記される(拾芥抄・伊呂波字類抄)。また河合社と書いても「タダスノヤシロ」と読むのが慣例であったようだ。「山城国風土記」逸文にみえる賀茂別雷かもわけいかずち神の母、多多須玉依日売ただすたまよりひめ命を祭神とする。

文徳実録」天安二年(八五八)八月一九日条に「在山城国従五位下鴨川合神預名神」、「三代実録」貞観元年(八五九)正月二七日条に「奉授(中略)鴨川合神等並従五位上」とあるのをはじめ、朝廷・貴族の崇敬の厚かったことを示す史料は多い。


河合神社
かわいじんじや

[現在地名]常陸太田市上河合町

国鉄水郡線河合駅の西南三〇〇メートル、幸久小学校に隣接する杉木立の中に鎮座。祭神は武甕槌命。旧村社。社伝によると、仁寿元年(八五一)創建といい、「三代実録」元慶元年(八七七)六月二八日条に「常陸国正六位上河江神」に従五位下を授くとある。「新編常陸国誌」には「青山延彝常陸神社考ニ、久慈郡川合村ニ祠アリ、号シテ川合明神ト云、蓋江ト井ト国音相通ズ、疑ラクハ即是也トアリ、然レドモコノ地ハ里川ノ流水久慈川ニ合流スル所ナルヲ以テ、川合ノ名アリ、然ルヲ古代河江ニ作ルハ疑ベシトス、未詳ナラザル所ナリ」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の河合神社の言及

【糺森】より

…京都市左京区下鴨にある,高野川と賀茂川の合流点の2川に挟まれた三角形の森。森の北辺に下鴨神社(賀茂御祖(みおや)神社)があり,中央に摂社の河合神社(式内社小社宅(おこそべ)神社,祭神は多々須玉依比売(ただすたまよりひめ)命)がある。偽りを正す神として朝野の信仰が厚く,《源氏物語》では光源氏も須磨退去に際し,参詣し〈憂き世をば今ぞ別るるとどまらむ名をば糺の神にまかせて〉と詠んでいる。…

※「河合神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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