治験薬(読み)チケンヤク

デジタル大辞泉 「治験薬」の意味・読み・例文・類語

ちけん‐やく【治験薬】

厚生労働省の製造承認を得る前の、治療効果を調べる段階薬剤動物実験を終え、対人臨床試験を行っているもの。被験薬。

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精選版 日本国語大辞典 「治験薬」の意味・読み・例文・類語

ちけん‐やく【治験薬】

  1. 〘 名詞 〙 厚生労働省の製造承認を得る前の、治療効果を調べている段階の薬剤。動物実験を終え、人間について臨床試験を行なっているときのもの。

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百科事典マイペディア 「治験薬」の意味・わかりやすい解説

治験薬【ちけんやく】

医薬品の製造承認を得るために,臨床試験データを収集するための薬物。動物実験を終えて,ヒト試験に移った段階の薬物をいう。臨床試験は,1.少数の健康者に与えてヒトに対する特性を調べ,2.次に少数の患者に与えて治療薬としての特性を調べ,3.やや広い範囲の患者について統計学的に有効性・安全性を確かめる,という手順で行われ,その後初めて厚生大臣に製造承認を申請することになる。1990年代に入っても依然として薬害事件が絶えないため,1996年6月,薬事法が改正され,治験薬の段階でも厚生省被験者の安全確保のための変更・中止命令を出せるようになった。→薬害
→関連項目丸山千里

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「治験薬」の意味・わかりやすい解説

治験薬
ちけんやく

開発中の薬剤で、厚生労働省の製造承認を得るための臨床試験に用いられる薬剤。臨床試験には第一相から第四相まである。第四相は発売後の医薬品の安全性をチェックするもので、第三相までが治験薬である。また、承認済みの医薬品で、効能効果、適応症拡大のため、未承認の適応症への臨床試験を行う際に用いられる薬剤も治験薬とよぶ。そのほか、厚生労働省の製造承認のない薬剤を臨床に用いる場合、これも治験薬といわれる。

[幸保文治]

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