コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

臨床試験 りんしょうしけん

5件 の用語解説(臨床試験の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

臨床試験

薬剤や医療器具等の安全性、有効性などを確認するために、治療を兼ねて行われるテストのこと。似た言葉に「治験」があるが、これは新薬や新しい医療器具等の承認を申請する際に必要なデータの収集を目的とし、厚生労働省の承認のもとで実施される。これに対し臨床試験は、承認前のものに限らず行われる点が異なり、すでに承認された薬等を用いる試験であれば多くの場合、厚生労働省の承認は必要とされない。
新薬の治験は、通常、試験管内での実験を経た後、動物実験で安全性や有効性が確かめられたものについて行われる。その薬の承認を得ようとする製薬会社が治験計画を作成し、それまでの実験データ等を付けて厚生労働省に実施申請を行い、承認がおりると医療機関に委託して開始となる。新薬承認に有利になるように、対象者を恣意(しい)的に選択したり、データを改ざんしたりすることのないよう、委託に際しては、製薬会社から直接医師に依頼することはできないシステムになっている。治験の対象は、ヒトである。健康な人に行われるか、特定のその疾患を持つ人に行われるかは薬の種類にもよる。薬によっては、疾患の重症度や治療歴など、対象者の条件が細かく定められていることも多い。また、実施者は、対象者との間に十分なインフォームド・コンセントをとることが求められる。
臨床試験も、治験と同じように、公平性・透明性を確保し、倫理的に十分に配慮する必要がある。
2013年2月、降圧剤「バルサルタン」に関する京都府立医科大チームの論文が3本撤回されたことが発覚。それをきっかけに、同薬の臨床試験における製薬会社社員の関与、及びデータ改ざん問題が明るみに出て、同年4月には東京慈恵会医科大、続いて滋賀医科大で学内調査が始まった。

(石川れい子  ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

臨床試験

医薬品の製造承認を得るための臨床試験は「治験」と呼ばれる。多くが製薬会社の主導で進められ、薬事法や省令で実施方法が厳しく規制されている。 治験は国の基準を満たした病院で、3段階の試験に分けて実施。第1相では、少人数の健康な志願者で安全性などを調査。第2相は実際の患者に対して治療効果や副作用などを調べる。第3相はより多数の患者で有効性などを検証する。

(2010-03-26 朝日新聞 朝刊 生活2)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

りんしょう‐しけん〔リンシヤウ‐〕【臨床試験】

新薬の効果を確かめたり、既存の薬剤の追跡調査をしたりするため、患者や健康な人に服用させて試すこと。国に新薬としての承認申請をする場合には、特に治験治療試験)という。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

臨床試験【りんしょうしけん】

新薬を開発するうえで,人間で有効性と安全性を調べる試験のこと。このうち,厚生省の認可を得るために行う臨床試験のことを特に〈治験〉という。新薬ができるまでには,基礎研究→動物実験→臨床試験→厚生省・中央薬事審議会の承認審査→市販後調査という段階をたどり,臨床試験には,第I相(フェーズI)〜第III相(フェーズIII)の3段階がある。
→関連項目代替療法バイオエシックス

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

臨床試験
りんしょうしけん

開発中の薬剤について安全性および有効性を動物で確認した後にヒトを対象として行う試験のこと。薬理学的効能および吸収・代謝や排泄(はいせつ)などについて調べると同時に、その薬剤がもたらす有害作用についても確認する。臨床試験は病人だけでなく、健常者も対象とする。こうして集められた資料をもとに製薬会社は厚生労働省に製造承認を申請し、認可されたものが医薬品として市販される。臨床試験には第一相から第四相まであり、薬事法上の承認を得るための第一相から第三相までの臨床試験が治験である。また、認可され発売された後に安全性を確認するために行う第四相の試験は市販後臨床試験という。また、すでに認可された薬剤が、あとになって別の病気に対しても薬効のあることが確認される場合があり、その際にも新たな適応症の承認を得る目的で臨床試験が行われる。さらに、未認可の薬剤であっても特定疾患をもつ患者の承認を得て投与する臨床試験もある。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の臨床試験の言及

【医薬品】より

… このほか特殊毒性検査に,発癌性試験(慢性毒性試験などで発癌性の疑われるものでは,ラットやマウスを用いて2年間または全生涯の連続投与試験),薬物依存性試験がある。(5)臨床試験 上記の特殊毒性試験までを非臨床試験という。ここまでの試験で〈作用性〉と〈毒性〉に関して科学的評価に耐えられる結果を得てパスした〈薬の候補者〉は,次にヒトつまり患者に対して〈疾病の治療に有効であるか〉〈安全であるか〉がテストされる。…

※「臨床試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

臨床試験の関連キーワード耳鏡テーラーメード医療GRAS物質生物学的有効性有効性医薬品と化粧品運輸安全マネジメント評価臨床試験の規制西都児湯医療センター宮野医療器

今日のキーワード

朝鮮大学校

東京都小平市にある在日朝鮮人子弟のための学校。1956年設立,1968年各種学校として認可。朝鮮総連系の東京朝鮮学園が経営。大学教育に準ずる民族教育を目的とし,4年制の文学,歴史地理,政治経済,経営,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

臨床試験の関連情報