泥鰌掬(読み)どじょうすくい

精選版 日本国語大辞典 「泥鰌掬」の意味・読み・例文・類語

どじょう‐すくいどぢゃうすくひ【泥鰌掬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 泥鰌(どじょう)をざるなどですくって捕えること。また、その人。
    1. [初出の実例]「カルの子に感あり柿の花盛〈子堂〉 鰌すくひが濁す日の陰〈其角〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)下)
  3. 安来節(やすぎぶし)の歌に合わせて、泥鰌をすくうまねをしておどる滑稽な踊り。頬かむりをして赤襷をかけ裾をからげ手にざるなどを持って踊る。
    1. [初出の実例]「お客を中央へ引張出し、裾をはしょって丸盆で以てドジョすくひを踊ったり」(出典:江戸から東京へ(1925)〈矢田挿雲〉一二)

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改訂新版 世界大百科事典 「泥鰌掬」の意味・わかりやすい解説

泥鰌掬 (どじょうすくい)

島根県安来(やすぎ)市の民謡〈安来節〉の踊り。手ぬぐいで頰かぶりをし,たすきをかけ,着物を尻はしょりに着て,ざるを手にドジョウをすくい取る振りで踊る。滑稽(こつけい)な振りで人気が高い。こうした小魚などをすくい取るしぐさは昔から滑稽なものとされていたようで,平安後期の《新猿楽記》には〈断腸解頤〉の芸として〈蝦漉舎人之足仕(えびすきとねりのあしづかい)〉が挙げられており,《梁塵秘抄》にも〈海老漉舎人,小魚(さい)漉舎人〉が見える。〈安来節〉のどじょうすくいは元来出雲の飯石,能義,仁多,大原,鳥取県の日野地方から産出する砂鉄採取のための〈土壌すくい〉から発生したといい,元歌には〈ヤサホヤサホと鉄積んで〉という歌詞がある。安来は江戸時代に砂鉄の積出港として栄えたが,安来節はその遊里での騒ぎ歌であった。曲の原調は〈出雲節〉とも〈さんこ節〉ともいわれるが,それを改良して安来で育ったのが安来節である。
安来節
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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