浅原才一(読み)あさはら・さいち

朝日日本歴史人物事典 「浅原才一」の解説

浅原才一

没年:昭和7.1.17(1932)
生年:嘉永3.2.20(1850.4.2)
明治大正期の浄土真宗の篤信者。石見国邇摩郡小浜村(島根県温泉津町)生まれ。18,9歳ころから真宗説教を聞いて,信心に励み,その後,いく度かの信心の中断をみながらも,博打で警察に逮捕されてから,信心を深めていったといわれる。船大工をしていたが,50歳ころから下駄作りの職人となり,終生,篤実な在家念仏者として,信仰生活を詠んだ詩歌を多く残している。そのなかでは,「才一もあみだもみなひとつ」などと,阿弥陀仏と一体となり,阿弥陀仏と共に生きる法悦の境地を詠み続けた。鈴木大拙が『日本的霊性』のなかで,「日本的霊性的直覚」を体現した,妙好人として取り上げて,著名になった。<参考文献>鈴木大拙『妙好人』

(川村邦光)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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