浦島草(読み)ウラシマソウ

デジタル大辞泉 「浦島草」の意味・読み・例文・類語

うらしま‐そう〔‐サウ〕【浦島草】

サトイモ科多年草。日陰地に生え、高さは40~50センチ。葉は多数に裂けていて、長い柄をもつ。雌雄異株晩春、紫緑色の仏炎苞ぶつえんほうに包まれた軸に、多数の雄花雌花をつける。軸の一部紫黒色で長い糸状に伸びる。名は、これを浦島太郎の釣り糸に見立てたもの。有毒。 夏》あますだれの下の―/青邨

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精選版 日本国語大辞典 「浦島草」の意味・読み・例文・類語

うらしま‐そう‥サウ【浦島草】

  1. 〘 名詞 〙 サトイモ科の多年草。各地の山林や竹やぶで陰湿な場所に生える有毒植物。細長く伸びて垂れた花軸の先の付属物を浦島太郎の釣り糸に見たててこの名がある。高さ約五〇センチメートル。葉は太く長い柄をもち、一五片ほどに裂け、縁は大きく波打つ。葉柄暗緑色の円柱形で、紫褐色の斑点がある。初夏、細かい花が大きな包葉に包まれた花軸上に密生する。花軸は多肉質で上部が紫黒色の長いむち状となって、先が釣り糸状に垂れ下がる。包葉はつぼ状で白に暗紫色のまだらがあり、黒紫色で白い縦筋のある背面がふた状に前方に伸びてかぶさる。実は赤く熟す。《 季語・夏 》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「浦島草」の解説

浦島草 (ウラシマソウ)

学名Arisaema urashima
植物。サトイモ科の多年草,園芸植物,薬用植物

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世界大百科事典(旧版)内の浦島草の言及

【テンナンショウ】より

…この群にはミミガタテンナンショウA.limbatum Nakai et F.Maek.(関東山地,東北や四国の一部)やナガバマムシグサA.undulatifolium Nakai(伊豆地方)など地方的な種が知られている。 ウラシマソウA.urashima Hara(イラスト)は花序の付属体が糸状に長く伸び出し垂れ下がる。種子は発芽1年目は地中に小さな球茎を形成するだけで,葉が地上に展開するのは第2年目からという特異な特徴をもつ。…

【ヒャクニチソウ(百日草)】より

…ヒャクニチソウ(ジニア)属Zinniaの植物は主としてメキシコに約15種が分布するが,本種は最も大輪で,1862年(文久2)以前にアメリカから渡来したといわれ,チョウキュウソウ(長久草)と呼ばれていた。ウラシマソウ(浦島草)の名もある。現在栽培されている園芸品種は,1856年フランスで八重咲きが出たのをはじめとして,アメリカで大輪系に改良が進み,世界各国で夏花壇の花として発達した。…

※「浦島草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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