海人の濡れ衣(読み)あまのぬれぎぬ

精選版 日本国語大辞典 「海人の濡れ衣」の意味・読み・例文・類語

あま【海人】 の 濡(ぬ)れ衣(ぎぬ・ごろも)

  1. 漁夫の着ている、潮に濡れた着物
    1. [初出の実例]「松島のあまのぬれぎぬなれぬとてぬぎかへつてふ名を立ためやは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  2. ( あまは、常に濡れ衣を着るところから ) 濡れ衣を着る、すなわち、無実の罪をこうむることをたとえていう。聖武天皇の頃筑紫の守(かみ)の佐野近世の娘が、継母に憎まれて、あまの濡れた衣服寝室に置かれて盗人汚名を着せられたという伝説もある。→濡衣(ぬれぎぬ)を着せる濡衣を着る
    1. [初出の実例]「なにたつとあまのぬれぎぬくやしきをほさではやまむものならなくに」(出典:敦忠集(10C後))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android