海津城跡・松代城跡(読み)かいづじようあと・まつしろじようあと

日本歴史地名大系 「海津城跡・松代城跡」の解説

海津城跡・松代城跡
かいづじようあと・まつしろじようあと

[現在地名]長野市松代町殿町

松代城下町の北西にある。東には保基谷ほきや山系、南には高遠たかとお山から妻女さいじよ山の山系、北には奇妙きみよう山山系と三方屏風のごとく取り囲まれ、西を千曲川が流れる。山系の千曲川に接する南西には笹崎ささざき北方には関崎せきざきの嶮がこの地への侵入をさえぎっている。北国脇往還矢代より福島を経て越後に向かう要衝の地であり、善光寺平ぜんこうじだいらを押えるためにも軍事上の重要地点である。慶長(一五九六―一六一五)の中頃松城と改称し、正徳三年(一七一三)松代城と改めた。

武田信玄は越後の上杉氏に備えて永禄三年(一五六〇)ここに海津城を築城。平城である。「甲陽軍鑑」では時期を天文二二年(一五三四)としているが、永禄三年六月香坂筑前守に在城料として三〇〇貫文を宛行っており(「武田信玄宛行状」高野文書)、同年九月二三日諏訪の内田監物の海津在城について被官人らの普請役を免除している(別本歴代古案)ことから、この年に築城が終了したのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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