海游録(読み)かいゆうろく

世界大百科事典 第2版の解説

かいゆうろく【海游録】

1719年(享保4),徳川吉宗の将軍職襲位を賀す朝鮮通信使(正使洪致中)の製述官申維翰の日本紀行文。内容は日本の自然,物産文物,制度,人情世相,風俗の観察から,対馬藩真文役雨森芳洲,大学頭林信篤などとの筆談にまで及ぶ。日本では人材登用において科挙制がなく世襲であるとか,男女関係および士庶間の階層的名分があいまいであるなど,日本の文化と風俗にたいする儒者の眼からのしんらつな批判がある。江戸時代12回にわたる朝鮮通信使の日本紀行文は,現在確認されたもの23冊に及ぶが,本書はそのうち白眉である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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