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組踊 くみおどり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

組踊
くみおどり

沖縄の舞踊劇。老人踊,女踊,二才踊(にせおどり),雑踊など単独の端踊(はおどり)に対し,それらを組み合わせた劇的展開のある舞踊楽劇。物語は,登場人物の会話と幕内の抒情的な歌謡で進められ,この歌を地に踊りも見せる。楽は大小太鼓,笛,三線,琴。中国の冊封使(さくほうし)をもてなすために,踊奉行の玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創作したといわれ,享保4(1719)年に初演され,おもに貴族の子息が演じた。本土の狂言歌舞伎などの影響が曲目や演出に認められるが,劇構成は中国の戯曲に近い。『執心鐘入』『女物狂』『二童敵討』『花売の縁』などの曲が著名で,それぞれ能の『道成寺』『桜川』『小袖曾我』『芦刈』の影響が考えられる。50曲ほどの台本が残っており,今日では沖縄各地に伝播したものが祭りの際に演じられるほか,民間の舞踊団に継承されている。1972年国の重要無形文化財に指定。2010年世界無形遺産に登録された。(→沖縄舞踊

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

組踊

沖縄の伝統的な音楽と舞踊、せりふで展開される歌舞劇。琉球王国時代、中国から派遣された冊封使(さっぽうし)を歓待するため、歌舞伎や能を参考に創られた。1719年に初演。明治政府が王国を解体・併合した「琉球処分」(1879年)後は庶民の娯楽としても広がった。1972年に国の重要無形文化財に指定された。

(2014-04-12 朝日新聞 夕刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

くみ‐おどり〔‐をどり〕【組踊(り)】

数人が組んで踊ること。また、その踊り。
二つ以上の踊りを組み合わせて構成する踊り。
18世紀以来、琉球(沖縄)で伝承されてきた、せりふ・音楽・舞踊からなる古典劇。享保4年(1719)中国の冊封使(さくほうし)を歓待するため、踊奉行(おどりぶぎょう)の玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創作上演したのが始まり。ユネスコ無形文化遺産に登録されている。

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百科事典マイペディアの解説

組踊【くみおどり】

沖縄の伝統楽劇。国指定無形文化財。中国からの冊封使を歓待するために,1719年,玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)(1684年―1734年)が踊奉行として,〈おもろ語〉や地方古謡を織り混ぜ新作したのに始まる。
→関連項目国立劇場無形文化遺産保護条約琉球文化

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日本文化いろは事典の解説

組踊

組踊は沖縄に古くから伝わる伝統芸能です。音楽、踊り、台詞で構成されている沖縄独自の歌劇です。昭和47年の沖縄本土復帰と共に、国の重要無形文化財に指定されました。

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世界大百科事典 第2版の解説

くみおどり【組踊】

沖縄の歌舞劇。18世紀に中国からの冊封使を歓待するために宮廷で踊られた,冠船踊の一種。時の躍奉行(おどりぶぎよう)であった玉城朝薫(たまぐすくちようくん)(1684‐1734)によって作られた。琉球の古事を題材にしてこれを歌謡と舞踊で構成するが,日本の能楽や歌舞伎の影響もみられる歌舞劇となっている。朝薫以外の人による作品もあり,現在47の組踊の台本が残っている。明治以降は民間の人々によって伝承されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

組踊
くみおどり

18世紀初めに沖縄で創始され、今日まで伝承されている楽劇。古くから中国と親交の深い沖縄では、国王がかわるたびごとに皇帝の使者が多数来島し、厳粛な戴冠(たいかん)の儀式と、それに伴う盛大な宴が催された。そのときの余興芸能として数々の芸能が組まれ、御冠船踊(おかんせんおどり)と称されたが、これは踊り中心の、小童の群舞がほとんどであった。これに対して組踊は、沖縄に古くから伝わる音楽と舞踊を総合的に取り入れ、一つの物語を形成した戯曲になっている。創始者は玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)で、1719年(享保4)の尚敬王冊封(さくほう)式典後の重陽(ちょうよう)の宴において、首里城内の特設舞台の御冠船踊に上演されたのが最初である。そのときの演目は『鶴亀二児復父仇古事(つるかめにじちちのあだをふくするのこじ)(二童敵討(にどうてきうち))』と『鐘魔事(しょうまのこと)(執心鐘入(しゅうしんかねいり))』の2番であったが、その後『銘苅子(めかるしい)』『女物狂(おんなものぐるい)』『孝行の巻』の3番を完成、組踊の確立をみせた。この5曲は後の組踊と区別して玉城の「五番」と称されている。玉城は組踊を書き上げるまでに5回も薩摩(さつま)や江戸へ出張しており、滞在中に人形浄瑠璃(じょうるり)や能狂言、歌舞伎(かぶき)などを見て、創作への足掛りをつくったといわれている。彼は素材を沖縄の史実や古伝説からとり、「能と歌舞伎の中間に位置する」組踊という画期的なジャンルの誕生にこぎ着けたのであった。
 組踊は音楽、舞踊、台詞(せりふ)の3要素からなるが、とくに音楽のもつ意義は大きく、古くは「組踊を聞きに行く」といったほどである。内容は、創作当時の思想を反映して、忠、孝、節、義が強力に表現され、ほとんどが「めでたしめでたし」で終わる展開になっている。現在50種ほど残っているが、今日でも演じられているのは約半数にしかすぎず、前述の玉城の五番をはじめ、平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)の『手水(てみず)の縁(えん)』、田里朝直(たさとちょうちょく)の3番(『義臣物語』『万歳敵討(まんざいてきうち)』『大城崩(おおぐすくくずれ)』)中の前2組、高宮城親雲上(たかみやぐすくぺえちん)の『花売の縁』、久手堅(くでけん)親雲上の『大川敵討(おおかわてきうち)』、辺土名(へんとな)親雲上作といわれる『忠臣身替の巻』、平敷(へしき)親雲上作といわれる『巡見官(じゅんけんのかん)』、作者不詳の『久志(くし)の若按司(わかあじ)』や『姉妹敵討』などである。
 組踊は、本来は能楽式舞台を使って宮廷で上演されてきたが、今日では多目的ホールで3間(約5.5メートル)四方を使って、民間の舞踊研究所単位で演じられている。舞台の上手に三味線、大小の太鼓、笛、琴、胡弓(こきゅう)などの地方(じかた)と地謡(じうたい)が並び、伴奏し謡う。登場人物はおもに下手から出入りし、韻文体の詞章で台詞を交わし、舞踊を主とした様式的な演技表現をする。昔は役者はすべて男性であったが、今日では女役は女性が演じることが多い。また、組踊は廃藩置県以後に宮廷芸能から脱して村々へ伝播(でんぱ)し、沖縄各地の村踊りで盛んに演じられてきた。現在も旧暦8月には観客と演者が一体となって楽しんでいる。1972年(昭和47)沖縄の本土復帰にあたって国指定の重要無形文化財(総合認定)となり、2010年(平成22)ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。2003年には組踊音楽太鼓で島袋光史(しまぶくろみつふみ)(1920―2006)が、2005年には組踊音楽歌三線(うたさんしん)で城間徳太郎(しろまとくたろう)(1933― )が、2006年には組踊立方(たちかた)で宮城能鳳(みやぎのうほう)(1938― )が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。[當間一郎]
『當間一郎著『組踊選集』(1968・沖縄風土記社) ▽服部四郎・仲宗根政善・外間守善編『伊波普猷全集3 琉球戯曲集』(1974・平凡社) ▽矢野輝雄著『組踊への招待』(2001・琉球新報社) ▽矢野輝雄著『組踊を聴く』(2003・瑞木書房) ▽勝連繁雄著『組踊の世界――私の見方・楽しみ方』(2003・ゆい出版)』

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世界大百科事典内の組踊の言及

【沖縄[県]】より

…もともと薩摩役人たちをもてなす宴席で歌われたという。(4)劇文学 奄美の諸鈍芝居(しよどんしばや),狂言,沖縄の組踊(くみおどり),狂言,人形芝居,歌劇,宮古・八重山の組踊,狂言などが伝わっている。組踊は,沖縄の言語,文学,芸能をもって総合的に構成された独自の楽劇である。…

【琉球語】より

…また(11)は語頭のヤ行子音をdに変えている(例:dama〈山〉)。
【琉球語の文献資料】
 韻文の資料は《おもろさうし》,組踊(くみおどり)の脚本,琉歌集の3種がおもなものである。また《混効験集》(1711)は《おもろさうし》のための古辞書である。…

※「組踊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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