海潮寺(読み)かいちようじ

日本歴史地名大系 「海潮寺」の解説

海潮寺
かいちようじ

[現在地名]真岡市田町

市街地中央部、台地東南麓、行屋ぎようや川右岸に臨む。梵音山と号し、曹洞宗本尊十一面観音。永正年間(一五〇四―二一)宇都宮成高じようこう寺の僧久室永昌が、大田和おおだわ村に草庵を建て、宝珠ほうじゆ庵と号したのに起こるという。大永年間(一五二一―二八)芳賀建高はこれを町に移し、寺号を梵音山海潮寺と改め、芳賀氏菩提寺としたという。しかし永正九―一八年頃と推定される八月六日付芳賀高孝寄進(海潮寺文書)に海潮寺とみえ、高孝(建高初名)より海潮寺に一千疋(一〇貫文)の地が寄進されており、永正年間の後半には海潮寺と改称していたことがわかる。天文五年(一五三六)一〇月二四日の芳賀建高寄進状(海潮寺文書)によれば、父景秀(法名永存)の菩提供養のため、大田和郷の宝主(珠)庵免田を当寺に寄進している。


海潮寺
かいちようじ

[現在地名]萩市大字北古萩町

長寿ちようじゆ寺の北東にあり、本堂山門ともに南面する。曹洞宗。総源山と号し、本尊は聖観音

寺伝によれば、応永年間(一三九四―一四二八)石州湯温津ゆのつ(現島根県邇摩郡温泉津町)に創建され要津山海蔵かいぞう寺と称した。開山は不見明見。慶長九年(一六〇四)松本市まつもといち(現椿東)安養あんによう(現広厳寺)に仮堂を設け、同一九年現在地に移建され、現寺号に改めた。明治初年まで原則として五〇年に一回当時能登の総持そうじ寺へ当寺から輪番住職に出向いていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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