新撰 芸能人物事典 明治~平成 「渡辺文雄」の解説
渡辺 文雄
ワタナベ フミオ*
- 職業
- 俳優
- 別名
- 俳号=踏緒(トウチョ)
- 生年月日
- 昭和4年 10月31日
- 出生地
- 東京・神田
- 学歴
- 東京大学経済学部〔昭和29年〕卒
- 経歴
- 東京大学経済学部を卒業後、昭和29年電通に入社。30年スポンサーであった松竹に出向、31年小林正樹に見いだされて同監督の映画「泉」に出演して俳優としてデビュー。同年松竹と契約して正式に俳優の道に進む。34年大島渚の監督デビュー作「愛と希望の街」に出演、以来「青春残酷物語」「太陽の墓場」「日本の夜と霧」など大島作品の常連となり、36年「日本の夜と霧」上映中止問題で同監督が松竹を退社すると行動を共にし、独立プロダクション・創造社設立に参加。その後も「悦楽」「白昼の通り魔」「無理心中日本の夏」「絞死刑」「帰って来たヨッパライ」「新宿泥棒日記」「少年」「儀式」などの大島作品に出演し、個性派俳優としての地位を確立。「その口紅が憎い」「とべない沈黙」「女の賭場」「博徒解散式」「待っていた極道」「血染の代紋」などの映画にも出演し、それまでの任侠的なやくざではない、知的なインテリやくざという新しいタイプの悪人像を作りあげた。一方、テレビでは長くNHK「連想ゲーム」のレギュラー解答者を務めた他、50年にスタートしたフジテレビ「食いしん坊!万才」では初代リポーターを2年間務め、茶の間に親しまれた。読売テレビの旅番組「遠くに行きたい」には47年から32年間、計364回出演し、平成16年6月に出演した同番組が遺作となった。11年からは岐阜女子大学客員教授としてマスコミ学を講じ、13年飛騨・生活文化センター館長を務めるなど、俳優以外にも活躍した。旅と食に通じ、「渡辺文雄の旅からから旅へ」「美味は海にあり」「渡辺文雄のおいしい魚の話」など著書も多い。他の出演に映画「八月の濡れた砂」「女囚701号・さそり」「三代目襲名」「動脈列島」「新幹線大爆破」「ヒポクラテスたち」「キッドナップ・ブルース」「サンクチュアリ」、テレビ「非情のライセンス」「白い巨塔」「大地の子」「おもいッきりテレビ」などがある。
- 所属団体
- 日本エッセイストクラブ
- 没年月日
- 平成16年 8月4日 (2004年)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報