渡辺村(読み)わたなべむら

日本歴史地名大系 「渡辺村」の解説

渡辺村
わたなべむら

元禄一四年(一七〇一)以降木津きづ村内にあった村落。後述のように村域の大部分は地子免除地であり、住人大坂三郷構成員として扱われていたため、郷帳類に村名はみえず、天保郷帳には当村の耕作地七瀬ななせ新田(高一二石余)のみが記載されている。

当村の住人は、これより先、天正年中(一五七三―九二)には「天満福島・渡辺・博労・三ツ寺」の五ヵ所に分れて住んでいた(摂津役人村文書)。居住地が故地を離れても渡辺村と一貫してよばれたことからもうかがえるように、このうち渡辺(現東区)起源の地もしくは中心集落であったとみられる。元和五年(一六一九)の冬、下難波しもなんば村の農地大坂の町拡張のため市街地に転換された時、そのうちの長堀ながほり川開削用地のなかに、七反三畝余(八石一斗余)の屋敷地が含まれていたが、この地は当村の前身とみられ、これより先、前掲の五ヵ所のうちから同地への移住があったものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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