温度刺激の受容によっておこる感覚をいい、温覚と冷覚の2種に区別される。皮膚や粘膜などの当該局所の温度より高い温度刺激に対して感ずるものを温覚といい、同じく低い温度に対して感ずるものを冷覚という。温度感覚を感ずる場所は外表上に、温点、冷点として点状に分布しているが、その分布密度は、冷点のほうが温点より2~10倍も大きい。たとえば分布密度を手のひらで比較してみると、1平方センチメートル当り温点が0.4であるのに対し、冷点は1~5である。また前腕では、1平方センチメートル当り温点は0.3~0.4であるが、冷点は6~17となっている。温度感覚をもたらす刺激は温度そのものではなく、刺激部位の温度と刺激温度との差、すなわち熱エネルギーの差である。皮膚温度が20~40℃の範囲では温度感覚に順応がおこるから、温かくも冷たくも徐々に感じなくなる。この範囲の皮膚温度を無感温度という。温度感覚の受容器はいろいろな形態をした神経終末で、求心性繊維(線維)はAδ繊維、およびC繊維である。中枢神経系内では外側脊髄(せきずい)視床路を上行し、視床放線を経て大脳皮質体性感覚野(中心後回)に達している。
[市岡正道]
…ヒトが触覚で皮膚上の2点を識別できる能力は体の部分によって異なり,口唇部や指先の識別能力が最も高い。 ヒトの皮膚温度感覚は冷覚と温覚に分かれていて,それぞれ冷点と温点により生じる。冷点は温点よりはるかに多い。…
※「温度感覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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