測風気球(読み)ソクフウキキュウ

デジタル大辞泉 「測風気球」の意味・読み・例文・類語

そくふう‐ききゅう〔‐キキウ〕【測風気球】

大気上層の風向風速を観測するために飛ばす小型の気球パイロットバルーン

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精選版 日本国語大辞典 「測風気球」の意味・読み・例文・類語

そくふう‐ききゅう‥キキウ【測風気球】

  1. 〘 名詞 〙 大気上層の気流を観測するために揚げる気球。測風経緯儀で追跡し、上空風向きや風速を求める。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「測風気球」の意味・わかりやすい解説

測風気球
そくふうききゅう

上空の風向、風速を測定するための気球。ゴム気球に水素あるいはヘリウムを詰めた気球を放つと、風に流されるとともに、与えられた浮力に応じてほぼ一定の速さで上昇する。気球の方位角と高度角を、測風経緯儀を用いて30秒あるいは1分間隔で測定し、気球の動きを図上に描き、上空の風向、風速を求める。比較的簡便な上層気流測定方法であるが、低い雲があったりすると利用できない。現在、同じ目的で使われているものに「トリモノスタティック・ドップラー音波レーダー」「モノスタティック・ドップラー音波レーダー」などがある。動作原理は両者とも、3方向に1.6キロヘルツ(kHz)、900ワット(W)の音波を発射して音波の後方散乱波を受信し、音波のドップラーシフトドップラー効果によって生じた周波数のずれ)から上空の風向、風速を求めるもので、広く用いられている。

[篠原武次・渡邉清光]

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百科事典マイペディア 「測風気球」の意味・わかりやすい解説

測風気球【そくふうききゅう】

高層風を測定するために飛ばす気象観測用の小型気球。パイボール(パイロットバルーンの略)とも。気球の重量(30〜60g程度)とそれに与える浮力(充填(じゅうてん)する水素ガス量による)の大きさで決まる上昇速度(毎分150〜200m程度)により上昇するものと仮定し,風に流される距離を経緯儀で観測する。これをパイロット気球観測ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の測風気球の言及

【気球観測】より

…最も広く行われるのは上層風の観測など,気象観測の分野である。この気球はパイボール(pilot balloonの略)あるいは測風気球と呼ばれる。観測にあたっては,通常,小型の気球(たとえば60g)に水素を充てんし,所定の上昇速度が得られるように浮力を与える。…

※「測風気球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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