湯ノ原村(読み)ゆのはらむら

日本歴史地名大系 「湯ノ原村」の解説

湯ノ原村
ゆのはらむら

[現在地名]松本市里山辺 湯ノ原

岡田おかだ惣社そうざ村、山家やまべ組の藤井ふじい新井あらいの両村に接し、北に湯ノ原山を負い山麓平地に展開する。現松本市美ヶ原うつくしがはら温泉が中心となっている。

寛永一九年(一六四二)の信州松本御領分村々高附帳には一三七石二斗四升九合となっている。「信府統記」によると、「御朱印高九拾九石六斗六升」とあり、享保九年(一七二四)当時の石高は二二二石六斗七升一合。寛文年間(一六六一―七三)水田は六町五段五畝二一歩、畑地は三町一段九畝八歩。慶安検地の時、本百姓一二、門百姓など四である。

温泉地として古代から世に知られ、「日本書紀」天武天皇一四年の記事にある束間の温湯つかまのゆゆゆ筑摩つかまの湯)は、この村の白糸温泉をさすといわれ、天皇の入湯のため行宮を造ったのはこの地とされているが、確証はない。

湯ノ原村
ゆのはらむら

[現在地名]十津川村大字湯之原ゆのはら

十津川曲流地、武蔵むさし村の上流立地十津川郷のうち。寛永郷帳では「湯ノ川」とみえ、村高三八・九七二石。元禄郷帳では村高三三・三三四石。幕府領。安政四年(一八五七)の産物取調帳(十津川宝蔵文書)に杉角尺〆一二〇本、檜角尺〆三〇本、椴栂松尺〆一〇本、煙草四八〇貫目、割菜八〇貫目、楮四〇貫目、茶二〇貫目、樽丸八〇丸とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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