信府統記(読み)しんぷとうき

日本歴史地名大系 「信府統記」の解説

信府統記
しんぷとうき

三二巻 鈴木重武・三井弘篤編

成立 享保九年

分類 地誌

写本 内閣文庫・朽木綱泰旧蔵・戸田家・高遠町高遠文庫

解説 松本城の開起・城主交代年数・諸普請及び諸士屋敷割・城下町割・松本から近国への道筋信濃国中諸城下の方角道程・信濃国郡境・同内諸城・知行高山川寺社古戦場安曇筑摩両郡内各組筋地誌・同郡別組筋別高辻・安曇筑摩両郡旧俗伝・松本領内古城・諸神社・諸寺院、松本城及び城下の地形間数・裁許記録・宗門改鉄砲改・関所番所、新田開発年数・分知郷村、留山・巣鷹山・名所・名所和歌、松本中心諸道道程を記す。安曇・筑摩両郡及び信濃に関する最も整った地誌。

活字本 信濃史料叢書第二巻、新編信濃史料叢書第五―六巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「信府統記」の意味・わかりやすい解説

信府統記
しんぷとうき

信濃(しなの)国(長野県)松本藩主水野氏の家臣鈴木重武・三井弘篤が主命によって編纂(へんさん)した藩治便覧ともいうべき地誌。信濃府中松本につき統(す)べて見聞の及ぶところを記し、享保(きょうほう)9年(1724)12月水野忠恒(ただつね)の序記があり、全32巻。付録に家譜を収めた水野家本はいま所在不明。戸田家写本による信濃史料編纂会刊本と、朽木(くつき)文庫本による信濃史料刊行会刊本がある。信濃諸城・郡境の沿革、水野家領分安曇(あずみ)・筑摩(ちくま)両郡の地誌、社寺沿革、名所記、道程記、松本城の構造など、さまざまな記事に富む。

金井 圓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「信府統記」の意味・わかりやすい解説

信府統記
しんぷとうき

松本藩主水野家が藩士鈴木重武,三井弘篤に命じて編ませた信濃国,とりわけ安曇,筑摩両郡の地誌。写本 32巻。治世 80年,地誌,政譜の参考とすべきもののないところから水野忠幹が企て,享保9 (1724) 年弟忠恒のとき完成。付録『水野家譜』は欠けている。新旧両『信濃史料叢書』所収

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