滄海の一粟(読み)ソウカイノイチゾク

デジタル大辞泉 「滄海の一粟」の意味・読み・例文・類語

そうかい‐の‐いちぞく〔サウカイ‐〕【×滄海の一×粟】

蘇軾「前赤壁賦」から》大海原に浮かぶ一粒あわ人間存在は、広大な宇宙からみれば非常に小さいものであるというたとえ。

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精選版 日本国語大辞典 「滄海の一粟」の意味・読み・例文・類語

そうかい【滄海】 の 一粟(いちぞく)

  1. 大海に浮かんでいる一粒の粟(あわ)。広大なものの中のきわめて小さいもののたとえ。
    1. [初出の実例]「古語云、渺々たる滄海の一粟、我生の須なることを識る」(出典盲安杖(1619))
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐前赤壁賦〕

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故事成語を知る辞典 「滄海の一粟」の解説

滄海の一粟

大自然や時の流れに比べて、人生があまりにもはかないことのたとえ。また、巨大な存在に対して、取るに足りないもののたとえ。

[使用例] ラヴ如きは自分のおおいなる使命に較べると滄海一粟に過ぎないと藐視けなしていたのが[内田魯庵*くれの廿八日|1898]

[由来] 一一~一二世紀、ほくそう王朝の時代の中国の文人しょく名文、「ぜんせきへきの賦」の一節から。この文章は、ある秋の夜、「三国志」の古戦場だという大河に船を浮かべて月見を楽しみながら、書かれた作品。壮大な自然と悠久の時の流れに思いをはせた蘇軾は、自分たちは「びょうたる滄海の一粟(青い海に浮かんでいる、目に見えないほど小さなアワの粒)」にすぎないことが身にしみてわかる、と嘆いています。

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