滑稽新聞(読み)コッケイシンブン

デジタル大辞泉 「滑稽新聞」の意味・読み・例文・類語

こっけい‐しんぶん【滑稽新聞】

宮武外骨発行の新聞。明治34年(1901)大阪創刊政治家権力者を痛烈に風刺し庶民人気を博するが、関係者入獄罰金刑を繰り返し受け、明治41年(1908)廃刊

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改訂新版 世界大百科事典 「滑稽新聞」の意味・わかりやすい解説

滑稽新聞 (こっけいしんぶん)

1901年(明治34)1月25日,宮武外骨が大阪で発行した雑誌型(A4判通常20ページ)の権力風刺新聞(月2回刊)。〈強者を挫いて弱者を扶け,悪者に反抗して善者の味方になる〉の発行趣旨のもと,権威をふり回す官吏検察官検事,裁判官,政治家,僧侶,悪徳商人,悪徳新聞に筆誅(ひつちゆう)を加え,詐欺広告やゆすりを告発するなど痛烈過激の記事を風刺画入りで満載したため,庶民の人気を集め,最盛期には8万部を発行したという。だが外骨の〈肝癪を経とし色気を緯とす〉という記事内容は筆禍をこうむることも多く,風俗壊乱,官吏侮辱罪,新聞紙条例違反などでたびたび告訴されたが,判決をうけるとその判決文全文をまた紙面に掲載,検事局,裁判官を揶揄(やゆ)してまた筆禍をうけることもあった。1908年8月20日第169号の〈検事には悪い奴が多い〉が発行禁止の判決をうけたので,10月20日第173号を〈自殺号〉と題して発行,創刊以来の〈本誌受罰史〉をことごとく掲載して廃刊した。
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