日本歴史地名大系 「滝温泉」の解説 滝温泉たきおんせん 栃木県:塩谷郡藤原町滝村滝温泉[現在地名]藤原町滝鬼怒川西岸滝の字和田沼(わだぬま)に泉源がある温泉で、下滝(しもたき)温泉ともいった。現在は対岸藤原地内の温泉とともに鬼怒川温泉とよばれる。発見の時期は不詳。宝暦二年(一七五二)の湯船・休所普請願書および普請入用覚(沼尾一郎文書)によれば河床近くに泉源があり、雨笈のある湯船二ヵ所、休小屋一ヵ所があった。しかし鬼怒川の氾濫により破損することが多いため、湯船の入替えや道普請など大がかりな修理を加えている。温泉の経営は同年以前から行われていたことになる。天明五年(一七八五)には南の小佐越(こさごえ)村と下滝村との間で、湯治人の荷物継送りをめぐり発生した出入が、温泉から帰る客や荷を下滝村の馬で小佐越村が継送ることなどで内済となった(「内済証文」星常夫文書)。 滝温泉たきおんせん 秋田県:由利郡大内町滝村滝温泉[現在地名]大内町滝滝村の南、湯(ゆ)ノ沢(さわ)にある薬効の高いことで知られる冷泉。口伝によれば、一八世紀末に赤田(あかた)村(現本荘市)の僧が、傷を負った老鶴がこの湯に入り全癒したのをみて発見したという。文化六年(一八〇九)亀田(かめだ)町(現岩城町)の東海林金右衛門が藩庁の許しを受けて開湯、地元の三九郎が譲り受けた(上川大内村郷土誌)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by