濁川(読み)にごりかわ

精選版 日本国語大辞典 「濁川」の意味・読み・例文・類語

にごり‐かわ‥かは【濁川】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「にごりがわ」とも ) にごった水の流れている川。
    1. [初出の実例]「土堤へあがって拍(はやす)鏑流馬(やぶさめ)其角名月一夜はすませ濁川〈尺艸〉」(出典:俳諧・雑談集(1692)下)

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日本歴史地名大系 「濁川」の解説

濁川
にごりがわ

甲府市東部を南流する河川。北部山地の岩窪いわくぼ円光院えんこういん山地内から発するふじ(富士川)善光寺ぜんこうじ町地内から発する高倉たかくら(御倉川ともいう)などと、甲府市街地域から流下してきた排水路や旧甲府城の堀の流末を集めた深町ふかまち川が城東じようとう五丁目と朝気あさけ二丁目境に設けた水門で合流。同所から下流が濁川とよばれる。濁川はさらに東流して大円だいえん川を合せ、砂田すなだ町付近で流れを南に転じ、同町・里吉さとよし二丁目と国玉くだま町境で十郎じゆうろう(重郎)川と合流して南流。蓬沢よもぎさわ町・増坪ますつぼ町を経て西高橋にしたかはし町付近から平等びようどう(旧笛吹川筋)と並行してその西側を南流、さらに南西流し、市南部の西下条にししもじよう穏池おんぢに至って笛吹川に合流する。


濁川
にごりがわ

浅間山(二五四二メートル)の中腹石尊せきそん(一六六七メートル)付近を水源とし、清満せいまん三ツ谷みつや前田原まえだばら小田井おたい(以上現御代田町)を流下、長土呂ながとろ赤岩あかいわ平塚ひらつかに出、中山道に沿って根々井塚原ねねいつかばら下塚原しもつかばら(以上現佐久市)を経て塩名田しおなだ(現浅科あさしな村)で千曲川に合流する。延長一七キロ、アルカリ性の強い赤褐色をした水質である。

小流ではあるが流域の村にとっては重要な灌漑用河川で、現御代田みよた郷度ごうどで分水された水は前田原・小田井を灌漑、本流各所で小堰に分れ、特に長土呂・赤岩等はこの水に頼るところが大きい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の濁川の言及

【森[町]】より

…ホタテガイ養殖,水産加工が盛んで,各河川の流域で米作,駒ヶ岳山麓や海岸段丘でカボチャ,スイカ,メロンなどの栽培が行われる。西部の濁(にごり)川上流に開けた小盆地に濁川温泉(純食塩泉,48~85℃)がある。付近では温泉熱を利用して野菜のハウス栽培も行われる。…

※「濁川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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