灘浦(読み)なだうら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「灘浦」の意味・わかりやすい解説

灘浦
なだうら

富山湾北西部の海域で、石川県七尾市(ななおし)から富山県氷見市(ひみし)に至る沿岸部をいう。能登(のと)半島の丘陵性山地が海に迫り、入り江の漁村を除き岩石海岸となっている。暖流の影響が強く、積雪も少なく常緑広葉樹などの暖帯性植物がみられ、虻(あぶ)ヶ島はその代表である。古くから定置網漁業が行われ、富山県の阿尾(あお)、藪田(やぶた)、大境(おおざかい)、宇波(うなみ)、中波、石川県の東浜、庵(いおり)などの漁村がある。能登半島国定公園の一部である。

[深井三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「灘浦」の意味・わかりやすい解説

灘浦
なだうら

能登半島の基部東岸,富山湾に面する海岸。石川県七尾市の観音崎から富山県氷見市阿尾までの約 30kmをいう。宝達丘陵が海岸に迫り,海食を受けて断崖をなす。暖地性植物,寒地性植物の限界地域にあるため植物相が豊かで,氷見市の虻ガ島には暖地性植物群落がみられる。秋~冬は富山湾を回遊するブリの定置網漁が行われ,氷見をはじめ漁港が多い。国道 160号線が海岸部を通る。能登半島国定公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の灘浦の言及

【富山湾】より

…日本海のほぼ中央部,能登半島東側の仏(ほとけ)島と黒部川扇状地の突出部,生地鼻(いくじはな)で限られた海湾。沿岸部は,西部の灘浦と雨晴(あまばらし)の岬付近が岩石海岸であるほかは,平滑な曲線状の砂浜,砂礫海岸であり,夏は海水浴客でにぎわう。富山湾の海底地形は,富山平野を二分する呉羽(くれは)丘陵の延長上にある〈神通(じんづう)海脚〉の大突出によって西海区と東海区に分けられている。…

※「灘浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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